県公共事業評価委員会(会長・猪迫耕二鳥大農学部副学部長)は9月30日、国道178号岩美道路と林道2件の再評価3事業について、事業継続を適当とする方向を決めた。年明けに知事答申する。
岩美道路は総事業費388億円。前回19年度の再評価時から27億円増加した。東浜工区の法面に変状が発生し排土工の対策や、他工区でも追加工事が必要になったことが要因。県道路建設課は費用便益費(B/C)1・20を提示。さらに、県独自に定めたマニュアル評価でも道路ネットワークの構築や緊急輸送道路などの項目で基準を満たしていた。
また、林道桑原河内線(鳥取市青谷町)と行者山線(南部町)のB/Cはそれぞれ1・02と1・03。県産材・林産振興課は開設後の事業効果について、森林整備が推進されるとし、桑原河内線では原木シイタケの栽培が盛んになり、行者山線は災害時の代替路としての機能を果たすと説明した。
評価委は「岩美道路の事業費増はやむを得ない」(猪迫会長)と結論付けて継続を妥当と判断。林道2件についても事業の継続を認めた。
ただ、林道事業が長期間に及んでいることに懸念を示し、早期の開通を求める付帯意見を検討する。今後、答申内容と付帯意見を取りまとめ、年明けに答申する。再評価3事業は次の通り。
▼国道178号岩美道路=延長5・7`。08年度事業着手、23年度完成予定。全体事業費388億円。進捗87・5%
▼林道桑原河内線=延長14・45`。1983年度事業着手、2028年度完成予定。全体事業費45億5000万円。進捗92・9%
▼林道行者山線=延長20・5`。1991年度事業着手、2032年度完成予定。全体事業費58億6000万円。進捗78・4%
日刊建設工業新聞