大阪府と大阪市は9月30日、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会委員総会を開き、若者からお年寄りまで楽しめるパビリオンの展示計画などの具体案を示した大阪パビリオン出展基本計画案(Ver.1)を審議、承認した。10月に万博協会に出展申請を行い、同月早期に基本設計の公募型プロポーザルを公示する。委員総会には今回から協賛企業9社、協力機関12団体も参加しており、今後も計画案について関係者らと議論した上で、年度内の正案化を目指す。大阪府の吉村洋文知事は「今回から委員会に協力企業や団体が出席した。今後オール大阪としての体制を整えていく」とあいさつ。展示に関しては「iPS細胞でつくったミニ臓器を展示したい」と話した。
森下竜一総合プロデューサー(大阪大学大学院医学系研究科寄附講座教授)は、「関西の企業、ベンチャー企業にも活躍してもらい、若者からお年寄りまでの各世代、世界中の方が見て楽しめるエンタメであり学びの場にもなるパビリオンにしたい」と話した。
大阪パビリオンでは“REBORN”がテーマ。「未来の都市生活」をイメージし、▽街中に存在するスキャニングマシン▽都市移動用のモビリティ▽未来のフードスタンド▽未来のヘルスケア体験▽未来の医療サービス▽XRシアター▽中小企業・スタートアップ展示―などを計画しており、今後ストーリー性のある演出を考える。
設計・建築工事の方針では、省エネルギー性能の追求、クリーンエネルギーの活用、3Rの推進、木材などの再生可能な資材の活用を図るなど環境配慮のリーディングパビリオンを目指す。閉会後もパビリオンの精神をレガシーとして残す方針で、パビリオンの一部を閉会後に有効活用する考えを示した。
大阪パビリオンの事業規模は約160億円を見込んでおり、このうち展示関連に約60億円、建築関連(設計、解体含む)に約70億〜80億円、運営関連(運営・広報など)に約20億円を計上する。
建設用地の敷地面積は約1万0800平方b。建物の規模は2階建て(一部3層)延べ約8950平方b、高さ約12b(一部約20b)を想定する。
22年度末までに基本設計と実施設計を行い、23年4月に着工するため、設計段階から工事施工業者が技術協力するECI方式を採用し、工程を短縮する。合わせてECI方式にかかる技術的支援などを行うCM業務を導入し、24年10月の完成を目指す。
府が10月ごろに基本設計、22年1月以降にCM業務の公募型プロポーザルを公示する。発注者は未定だが、実施設計者とECI方式による施工会社をそれぞれ、早ければ22年7月にプロポーザルで募集する予定だ。
提供:建通新聞社