建設新聞社
2021/10/01
【東北・福島】辺見設計・C+AJVに委託/ふくしま農業人材育成Cの設計プロポ
福島県は、矢吹町の農業短期大学校内に「ふくしま農業人材育成センター」(仮称)の新築を計画し、基本・実施設計業務の公募型プロポーザルを進めた結果、最優秀者に辺見設計・C+A(シーラカンスアンドアソシエイツ)JVを選定し、9月29日に8380万円で契約した。
プロポーザルには23者が参加し、7月23日の1次審査で辺見設計・C+AJV、ティ・アール建築アトリエ、一級建築士事務所ハコプラスデザイン、白井設計、再生建築研究所・八光建設一級建築士事務所JVの5者をヒアリング対象者とした、2次審査の公開ヒアリングは8月10日に福島市のパルセいいざかで開催し、最優秀者および次点にティ・アール建築アトリエを選定した。
審査委員は、古谷誠章氏(早稲田大学創造理工学部建築学科教授)を委員長に、学識経験者や県職員の計7人が担当した。
福島県内唯一の農業実践高等教育機関である県立農業短期大学は、1988年に矢吹町一本木446の1地内で開校した。農業人材育成センターは、「農業短期大学校の機能強化に関する基本構想」に基づきスマート農業の実装化を進めるに当たり、研修室をはじめゼミ室、学生寮などを集約した新たな施設として整備する。
施設計画は、グラウンドの一部約8000平方bを建設用地にW造、延べ4000平方b程度を基本に、スマート農業研修室、農業機械格納、ゼミ室、学生寮、農外作業準備室などを設置するとしている。
設計の履行期間は約16カ月で、建築工事は2023、24年度で行い、25年度の開設を目指す。概算工事費(外構を含む)は約22億円(税込み)。
最優秀者は、寮棟(リビング・コモンズ)や研修棟(クリエイティブ・コア)など大規模木造建築を成立させる合理的な分棟形式を提案。審査講評では、六角形平面のスマート農業研修室に多様な展開の可能性が感じられるとしたほか、集落のイメージを具現化した魅力を感じる配置、3〜4室のユニット分節化により、随所に外光が差し込む温かみのある平面計画などを高く評価していた。
提供:建設新聞社