全国建設業協会による傘下47都道府県の会員企業数(6月末現在)の集計で、本県が706社と最多を維持したことが明らかになった。前年度から7社減少したものの、700台は全国唯一。ピークの2000年度(1113社)と比べると6割超まで落ち込んだが、ここ数年は微減で収まっている感がある。
(6面に全国の会員企業数)
県建設業協会(藤田護会長)の会員企業数は、18年度733社、19年度715社、20年度713社と推移。21年度は706社で、熊本を含めて2県あった700台は今回の集計で本県のみとなった。
ピークは00年度の1113社。これ以降、年次的に20〜30社程度ずつ減少し、倒産件数が増加した09年度は69社減の845社、10年度から700台に入った。21年度の数字はピーク比で37%(407社)の減となったが、直近10カ年をみるとマイナス幅は縮小傾向にある。
47都道府県では、本県に次いで多いのが熊本の693社(前年度比7社減)。ほか、兵庫657社、奈良648社、岡山620社、和歌山610社−と続いた。伸び数が最も多かったのは、大分の11社増(521社)だった。
最少は大阪の60社と変わらず、広島(96社)を含めた2府県が二桁台。福岡(107社)や愛知(142社)、東京(228社)なども含めて、民間需要が高い都市部の少なさが目立つ。
全国の総数は1万8525社となり、前年度からわずか6社の減にとどまった状況。ピーク比(97年度3万1141社)では、本県を上回る41%(1万2616社)の減少率となっている。
★記者の眼
強靭化など公共寄与か
ここ数年、減少幅が抑制基調にある建協の会員企業数。20〜21年度はコロナ禍の影響が懸念されたが、国土強靭化や災害復旧等の公共事業で一定の見通しが立ったこともあってか、大きな変動はなかった。
先行きについて、県内業界の関係者からは「当面は微減で推移するのでは」との見方が強い状況。ただ、業種を問わず、後継者不在や人材不足に頭を抱えている企業も多く、各団体で会員確保に苦慮しながらの運営が続きそうだ。
(田原謙一・常務取締役(兼)報道部長)