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建通新聞社(神奈川)
2021/10/01

【神奈川】川崎市 上河原堰堤洪水吐ゲート改修

 川崎市は、「上河原頭首工ゲート(引上式)長寿命化(修繕)詳細設計業務」を協和コンサルタンツ横浜営業所(横浜市中区)に4000万円で委託した。多摩川上河原堰堤のうち川崎側にある洪水吐ゲート(40b×3門)について、レベル2地震に耐えられる構造に改変する方針で、構造や補強方法を検討し、詳細設計をまとめる。ゲートの門柱4基の鋼板巻き立てや基礎の増し杭打設などの対策を想定しており、具体的な施工方法や施工計画を検討する。設計の履行期間は2022年3月31日。
 上河原堰堤の所在地は、多摩区菅稲田堤3ノ21地先。1941年から4年がかりで堰のコンクリート化工事が行われ、全長425b、高低差3・6bの多段式の重力式浮きダムが築造された。しかし、その後台風により一部損壊したことから、71年に改築が行われ、調布市側に魚道付の固定堰(延長248b)、川崎市側に洪水吐ゲート3門に管理橋(橋長163b)と魚道が設置され、さらに固定堰と洪水吐ゲートの間に流量調整ゲート(14b)が設けられた。その後、洪水時に水をスムーズに流下させるため、固定堰を切り下げて起伏ゲートへと改変された。
 洪水吐ゲートについては築造から半世紀が経過し老朽化しているため、川崎市が2020年度に劣化状況などを調査し、改修に向けた予備設計を行った。基本的にはゲート周囲を仮設構造物で締め切り、耐震性の高い構造物に改修する考えだが、二ケ領用水の取水口となっているため、取水の支障とならないようにする必要がある。また、出水期を避けながら効率的に施工を進めるための施工計画を検討する。事業の具体化に向けて川崎市は、河川管理者の国土交通省と協議を進める。提供:建通新聞社