盛り土条例案を検討する県の専門家会議(座長・松見吉晴鳥取大学前学長顧問)は9月29日、盛り土と斜面の安全確保に関する条例案と、施工する際の技術基準案の中間まとめを策定した。今後、パブリックコメントを実施。10月中に条例最終案をまとめる。
静岡県熱海市で発生した土石流災害を踏まえ、県は8月から新条例の制定検討に入っている。これまでに盛り土をはじめ、斜面に工作物を設置する場合に県知事の許可制とすることや、中間・完了検査の実施、事業者による保証金の預託、罰則規定などを決めている。
第3回目の専門家会議では、許可対象の一定規模の盛り土について2000平方b以上、かつ高さ1b以上に加えて、高さ5b以上の盛り土を追加。2000平方b未満でも高く盛る抜け道をふさぐ。
また、技術基準案では盛り土・斜面の安全を確保するため、段切りや小段、排水処理など細かな対策工や調査検討を義務付ける。
委員からは盛り土施工後のチェックリストについて、「盛り土周辺の地質変形も調べる必要はないか」などの意見があがった。
県は条例案を一部修正後、10月8日〜同22日までパブコメを実施して月末までに最終案を取りまとめる。引き続き県議会に説明して条例案を提出。来年6月からの条例施行を目指す。
日刊建設工業新聞