名古屋市の栄角地における再開発で、三菱地所など5社は、名古屋市に都市計画の変更提案を行った。容積率は、市内で初めて2000%超えとなる2050%。提案を受けて名古屋市は9月30日、都市計画素案の縦覧手続きを開始した。2022年2月ごろに開く都市計画審議会に諮るスケジュールが有力だ。現在の容積率の最大は、中日ビルの新築街区(栄四丁目1番地区)の1470%。
栄角地(錦三丁目25番地区)は、面積約1・1f。都市再生特別地区の変更提案では、建築物の容積率の最高限度は2050%。建ぺい率は80%。建築物の高さの最高限度は、高層部215b、中層部70b、低層部40b。壁面位置の制限を行い、壁面後退部分は一般の歩行者が通行できるよう公共的空地として整備する。壁面後退は、広小路通側が2・5b、大津通側が1・5〜2・5b、久屋大通公園側が1b、錦通側が0・5b。
都市計画道路では、地下街通路(広小路線地下道1号線)の位置変更を提案。栄交差点の北東側の北方面に向かう地上出入り口を廃止し、栄角地に直結する地下街通路を新設する。計画建物の地下2階部に接続する。幅員は8bで有効高は2・5b。
事業者は三菱地所の他、日本郵政不動産、明治安田生命保険、中日新聞社、パルコ。
栄角地での再開発ビルは、市の事業提案募集時での提案概要によると、地下4階地上36階建て延べ約9万9500平方b。
都市計画提案の理由書では、「名古屋市高級ホテル立地促進補助金」制度における認定を受けた名古屋市初の5ツ星ラグジュアリーホテルを整備する他、都市型MICE機能を強化する上質なバンケットルームを設ける。また、大規模シアターやイノベーション拠点、クリエーティブオフィスを整備する。低層部には高級感ある商業施設を導入、久屋大通側の低層部屋上には広場空間を設け、久屋大通公園との一体的なにぎわいを形成させるとしている。
質の高い緑化、CASBEE名古屋Sランクを達成する環境性能の高い建築物とする。防災拠点としては、防災備蓄倉庫、非常用発電機の整備、雨水貯留槽の設置を行う。感染症対策では、充実したオープンスペースの確保やゆとりある空間の整備、高効率換気システム、非接触技術の導入、抗菌素材の利用などで感染症拡大防止に配慮した施設計画にするとしている。
提供:建通新聞社