大阪府は、2030年度までの府営住宅ストック総合活用計画案をまとめた。今後10年間で約5000戸の集約建て替えなどを進める計画だ。12月に改定する「住まうビジョン・大阪案」で示す府営住宅の30年後の管理戸数(指標)を踏まえ、建て替えや改善などの事業を適切に選択し、良質なストック形成を図り、資産活用など総合的な活用を進めるための取り組みの方針を示す。個別事業の実施方針、対象団地などは、同計画に基づき今後策定する府営住宅ストック活用事業計画で明らかにする。
今後10年間で集約後の建て替え約5000戸、集約後の廃止約3000戸、耐震化などで建て替え約1800戸、耐震改修105戸を想定する他、バリアフリー化で中層エレベーター約1000基設置、約5000戸で住戸内バリアフリー化を実施する予定。また、30年度までに耐震化率はおおむね完了、管理戸数の見通しは約10万5000戸を目指す。
ストックを有効活用する基本的な考え方としては▽昭和50年代以前の団地で再編・整備▽昭和60年代以降の団地で住戸内の改善などが必要な団地で機能向上▽昭和60年代以降の団地で、住戸内の改善などが必要ない団地で維持保全―と団地を三つに類型化し、適切に事業手法を選択する。
具体的には、▽30年間で再編・整備の着手時期を分散させ、事業量を平準化しながら計画的に事業実施▽活用用地をまちづくりに積極的に活用▽住戸の間取りや外観デザインの見直し▽断熱性能の向上など環境への配慮▽エレベーター設置などのバリアフリー化▽風呂設備の設置や計画的な修繕―などに取り組む。
府は10月13日までパブリックコメントを受け付ける。
提供:建通新聞社