大津市は、建て替えが検討されている市役所庁舎(御陵町)について、「移転」を主軸とした庁舎整備基本構想をまとめる考えを示しており、きょう(1日)有識者による意見聴取組織となる構想懇話会を設置する。今後は懇話会を3回開催。各分野の専門的知見による意見聴取し、22年3月末をメドに内容を取りまとめる。
委員構成(分野)及び役割については次の通り。
▽建築(計画)=規模の検討、立地場所の評価等
▽建築(構造)=現庁舎の活用の検討
▽設備=空調等設備機能、省エネ設備の検討
▽都市計画=立地場所の評価等
▽防災=防災機能、立地場所の評価等
▽DX=各行政サービス機能等
▽環境(デザイン)=建物空間の環境等
同構想策定のなかで、新庁舎の規模、建設候補地の立地条件の検討、建設候補地ごとの事業化の比較検討、用地取得の有無、整備手法や仮設庁舎の必要性などの検討、仮設庁舎、現庁舎の解体までのスケジュール、その後の移転新築の場合について、現庁舎跡地の利活用方法など検討する。
同市役所本庁舎については、04年度に庁舎の耐震診断を実施し、その結果、本館及び別館において耐震性能が不足していることが判明。同年度に庁内の検討組織である庁舎整備検討委員会を立ち上げ、庁舎の現状と課題や、今後のあり方等についての検討をスタートし、翌年度には、庁舎建設実行可能性調査を実施、外部委員会組織である庁舎のあり方検討委員会を設置。耐震性能が不足している庁舎への対応として、10年度にSRF工法による庁舎本館柱耐震補強工事を行い、一部躯体部分の耐震補強の対応をしてきた。庁舎整備の検討は一時期において中断期間があったが、その間に庁舎敷地北側に隣接する国有地を庁舎整備用地として活用するため、財務省近畿財務局と調整を図り、隣接旧国有地を活用した庁舎整備の検討を行い、本館は免震レトロフィット工法による耐震性能を補強して改修、別館は解体してその跡地と旧国有地を活用して新棟を建設することとする庁舎整備基本方針を示したうえで、整備用地の一部としてこの国有地を取得。しかし敷地裏手が土砂災害警戒区域に指定されたことから今回、移転も含めた検討・構想を行うこととした。
なお、大津市庁舎整備基本構想策定支援業務は、佐藤総合計画関西オフィス(大阪市中央区)が担当。
提供:滋賀産業新聞