徳島県が進めてきた「awa アワー project(徳島文化芸術ホール整備事業)」の設計・施工者を選定する公募型プロポーザルの最終二次審査が9月18〜19日に実施され、「舞うように集まる」と題した技術提案を行った熊谷組グループ(熊谷組四国支店・石上純也建築設計事務所・IAO竹田設計・アクト環境計画・ピーエス三菱大阪支店・野村建設工業JV)が優先交渉権者に選ばれた。
県は今後、10月上旬に同JVと設計業務を契約、2022年度中に工事請負契約を締結する。着工は第1工区(大ホール棟とコモン棟)が23年4月、第2工区(小ホール棟)が24年2月、第3工区(外構)が25年7月を予定。
熊谷組グループの提案は、第1・第2工区が鉄骨ラーメン構造と鉄筋コンクリート耐震壁による耐震コア構造、鉄骨柱とスラブによる地下1階地上6階建て延べ約1万4000平方bで、半屋外を含めた延べ床面積は約2万平方b。「宙を舞う花びら」と表現する不定形で軽量の「RCフラットスラブ」を層状に重ねる。既存建物の残置杭を避け、新設杭を配置。「箱ではなくランドスケープ」「徳島の新しい観光スポット」とした。
大ホールの座席数は1954席。1階1042席の他、2〜4階に花びら状の座席フロアを多数配置。小ホールは仮設席を含め最大500席(調整可)。中央部地下1階に多目的スタジオを置く。大ホール屋上に空中庭園テラス、小ホール上に屋上庭園、中央部屋上に青空テラスを設ける。
第3工区(旧東警察署=PFI事業で解体中の敷地)は最後に着工することから工事事務所、駐車場、資材置場として使い、25年7月以降に駐車場と緑地を整備する。
建設地は徳島市城内1他。事業費上限は設計監理が11・5億円、工事が194億円(税込み)。
最終二次審査には同JVの他、大林組グループ(次点)と清水建設グループ、竹中工務店グループ、前田建設工業グループが参加した。
提供:建通新聞社