金沢市が磯部町の金沢城北市民運動公園で計画する「金沢市民サッカー場建設工事」の起工式は28日、同公園内の建設地で開かれ、関係者約50人が工事の安全を祈願した。サッカー場は23年9月、周辺整備は23年度末の完成を予定。24年度から本格供用する見通しで、現在J2リーグの「ツエーゲン金沢」のホームグラクンドとしての活用を見込む。
山野之義市長は「新サッカー場では、おもてなしと賑わいを創出し、金沢の新しい顔の一つになることを期待する。城北運動公園が市民からトップアスリートまで一年中活用し、楽しむことができる新たなスポーツ交流拠点として、さらに親しまれる場所となるよう願う」とあいさつ。来賓の久保洋子市議会議長が祝辞を述べた。
起工式に先立ち開かれた安全祈願祭では、設計者を代表して梓設計中部支社の中山明宗常務執行役員支社長、施工者を代表して熊谷組の小川嘉明代表取締役兼執行役員副社長が鎌入れ、山野市長が鍬入れ、久保議長が鋤入れを行い、工事の無事成就を祈った。
市民サッカー場の再整備として、現施設の隣接地にJ2仕様の新たなサッカー専用スタジアムを建設する。規模はRC一部SRC、S造地上4階建て延べ約1万9000平方メートル。収容人数を現在の3000人から1万人に増やす。
グラウンドは天然芝を施し、スタンド最前列からピッチまでの距離が最短で約7メートルと臨場感溢れる観戦環境を整備する。快適に試合が楽しめるよう、すべての客席を屋根で覆う。エントラス部には金沢らしいおもてなしを表現する「ウェルカムゲート」、スタジアム周囲には「にぎわいスペース」を設け、災害時用の防災備蓄倉庫も整備する。
事業費は約79億8000万円。現在、昇降機設備を公告中で、今後、大型映像装置(音響設備含む)も発注する。
設計は梓設計中部支社、アルスコンサルタンツ(周辺)。施工は熊谷・植木・鈴木・北陸工建JV(建築)、米沢・ツボ・柴JV(電気設備)、柿本・みなみ・サンコーJV(給排水衛生設備)、三谷・協同JV(空調設備)。