大阪府は9月28日、大阪・夢洲への誘致を目指すIR(統合型リゾート施設)の事業者公募で、MGM・オリックスコンソーシアムを設置運営事業予定者に選定した。グループ構成員はMGMリゾーツ・インターナショナル、オリックスの他、関西企業を中心に選定する。「大阪・関西にWOW≠mextを」をビジョンに掲げ、「結びの水都」をコンセプトに国際会議場施設や約2500室の宿泊施設など総延べ床面積約77万平方bを整備する。初期投資額は約1兆0800億円を見込み、2020年代後半の開業を目指す。大阪府の吉村洋文知事は「大阪のベイエリアで世界最高水準の統合型リゾートを誘致するパートナーが決まった。結びの拠点≠フ整備に向けて、年末から翌年1月にかけてまとめる区域整備計画で詳細な中身をつくる」と話した。
大阪IRでは、「新鮮な驚きや感動の体験」「世界最高水準の成長型IR≠地域と共につくる」「あらゆるものを結ぶ結節点」「水都大阪の伝統・文化・精神の継承」といったコンセプトを掲げる。
施設概要は▽国際会議場施設約3万7000平方b(最大会議室6000人超収容)▽展示等施設約3万1000平方b(展示面積2万平方b、関西イノベーション・ラボ、段階的に整備)▽魅力増進施設約1万5000平方b(ガーデンシアター、関西ジャパンハウス、三道体験スタジオ、ジャパン・フードパビリオン、関西アート&カルチャーミュージアム)▽送客施設約1万4000平方b(関西ツーリズムセンター、バスターミナル、フェリーターミナル)▽宿泊施設約28万9000平方b(エンターテイメントホテル、多世代型アクアリゾートホテル、VIP向け最高級ホテルの計3棟・客室数約2500室、レストラン、プール、フィットネス、大浴場、バンケットなど)▽エンターテイメント施設約1万3000平方b(夢洲シアター3500席など)▽飲食・物販・サービス等施設約31万平方b(飲食施設、物販施設、駐車場、エネルギーセンターなど)▽カジノ施設約6万1000平方b―の総延べ床面積約77万平方bを計画する。
まちづくりに当たっては、先進的・持続的なスマートシティを実現し、同じく夢洲内で開かれる大阪・関西万博レガシーの継承、脱炭素・循環型社会の実現、SDGs達成に貢献する「世界で最もサステナブルなIR」を目指す。具体的にはエネルギーの地産地消と環境負荷の軽減(エネルギーマネジメント、再生可能エネルギーの活用など)、スマートな観光体験を実現する観光ICTサービス、IoTなどを活用した防犯・防災、モビリティ・交通マネジメントなどに取り組む。
今後は10月〜22年1月ごろに区域整備計画の作成、公聴会の実施、基本協定の締結、22年2〜3月ごろに同計画の認定申請に係る府議会・市会の同意を受けた後、22年4月ごろに同計画を国に申請する。同計画が国の認定を受ければ、23年度に土地を引き渡し、同年度以降の工事着手を目指す。
提供:建通新聞社