県千葉農業事務所は、県営ため池等整備事業の桑山地区(市原市勝間)の実施設計業務を日本水工コンサルタント(埼玉県さいたま市大宮区東町2―50)に委託することを決めた。16日に開札した指名競争入札に6者が参加し、同社が予定価格704万円(消費税抜き)に対し670万円(同)で落札した。最低制限価格は560万円(同)だった。委託期間は2022年3月10日まで。
実施設計では、浸透流の計算、堤体の断面・高さ・天端幅の検討、数量計算、施工計画の立案、実施設計図面の作成などを実施する。用地買収を要するため、23年度ごろの着工となる見通し。
実施設計のほか、土質調査業務についても16日はに開札。6社が参加し、山中エンジニヤリング(千葉市稲毛区稲毛3―6―1)が予定価格301万円(消費税抜き)に対し263万円(同)で落札した。委託期間は22年1月14日までとなっている。
桑山地区は、21年度の新規採択地区。21〜25年度の5か年を事業期間とし、総事業費9740万円を投入。洪水吐改修、堤体補強、取水施設改修などを実施する。受益面積は13・5ha。
ため池(桑山堰)は、堤高4・8m、堤長58m、堤体堰2900立法メートル、貯水量5200立方メートル、堤頂幅2m。型式は傾斜遮水ゾーン型。
堤体右岸下流水路からの漏水が見られるほか、下流法尻全体に浸み出すような漏水も確認されることから、堤体、洪水吐、取水施設の改修工事を実施する。
主要な工事として、堤体築堤工1127立方メートル、堤体護岸工447u、ドレーン工30m、洪水吐取水工39・7m、仮設道路工340mなどを予定。
市原市勝間字東桑山に位置する桑山地区では、積極的に営農に取り組み、ほ場整備が実施され、生産基盤が整っている。
ため池は築造から100年を経過し老朽化。近年は、下流右岸水路からの漏水などが見られ、水位を下げて用水管理を行っており、農業水利施設の老朽化の進行や機能低下が発生している。
このため、安全性と用水の確保を目的に事業を実施し、早期に改修を行うことで、農業経営の安定を図ることとした。