九州地方整備局は13日、九州横断自動車道延岡線の矢部〜蘇陽区間について、新たに自動車専用道路を整備する2案と現国道218号を改良する案の計3ルート帯を示した。整備に要する費用は最大1250億円が見込まれている。
福岡市で開かれた社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(委員長・円山琢也熊本大学くまもと水環境・減災研究教育センター准教授)で説明した。今後、沿線自治体や企業、地域住民等から2回目の意見を聴取し、次回会合でルートを絞り込む。
矢部〜蘇陽は、延岡線における熊本県内唯一の未事業化区間。整備が進む山都中島西インターチェンジ(IC)〜矢部IC間と、昨年度に事業化された蘇陽五ヶ瀬道路を結ぶ。
新設する自動車専用道路は、国道218号の北側を通り最短で拠点間を接続する延長約14`と、国道の南側沿いを経由し集落や産業施設へのアクセス性が高い延長約15`の2案。いずれも2車線で、中間ICの設置も検討する。道路構造は、切土・盛土を基本とし、河川や国道等を跨ぐ区域は橋梁、標高が高い山地はトンネルを想定している。
整備費用は、北側ルートが約1150〜1250億円、南側ルートが約950〜1050億円が見込まれており、コスト差について九州地整は「北側ルートは急峻な山地を通過するため、構造物の比率が高くなることが考えられる」と述べた。
国道218号の改良は、現道を4車線化にし、線形不良が連続する箇所は別線で整備する。延長約16`で整備費用は約1050〜1150億円。国道沿線の集落や施設からのアクセス性が最も高いが、熊本市内の第三次救急医療施設への搬送時間は新設案に比べ劣るなどと説明した。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ:「
記者 建設探訪」