徳島県は、気候変動に伴う異常気象により全国各地で水災害が激甚化・頻発化していることから、県内に39ある2級水系で「流域治水プロジェクト」を推進する。河川管理者が主体となり進めてきた治水対策に加え、あらゆる関係者が協働し流域全体で水災害を軽減させる新たな取り組み。8月末までに17水系の7プロジェクトを策定しており、今後、残る22水系でも関係する自治体などと連携して2022年度の出水期までをめどに、全ての2級水系で流域治水プロジェクトを策定する方針。
これまでにプロジェクトを策定したのは▽明神川・大浦川・櫛木川・粟田川水系(鳴門市)▽勝浦川水系(徳島市、小松島市、勝浦町、上勝町)▽立江川・太田川水系(小松島市、阿南市)▽福井川・鵠川・椿川水系(阿南市)▽日和佐川・奥潟川水系(美波町)▽牟岐川・瀬戸川・東谷川水系(牟岐町)▽海部川・江川水系(海陽町)―の17水系7プロジェクト。
治水対策は、河川を所管する県などの関係機関が連携してそれぞれ実施する。氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策(河川改修、森林整備・保全など)、被害対象を減少させるための対策(防災拠点の高台整備など)、被害の軽減・早期復旧・復興のための対策(水害リスク情報空白域解消、ファミリータイムラインの作成支援など)を地域の住民や企業なども連携して行う。
流域治水プロジェクトの策定は、県が中心となり県流域治水協議会で作業を行っており、これまでに3回に会合を開催。年内に残る水系の流域治水プロジェクト素案を検討し公表する予定。河川改修や河道掘削など個別の施策を推進する段階で、それぞれの機関が関係する業務を委託する。
県内にある1級水系、吉野川と那賀川の流域治水プロジェクトは、国が中心となり3月までに策定を終えている。
提供:建通新聞社