京都市は13日、新税の(仮称)「非居住住宅利活用促進税」の現時点での制度設計案を市会総務消防委員会に報告した。
京都市持続可能なまちづくりを支える税財源の在り方に関する検討委員会から昨年4月に「非居住住宅の所有に対し新たな法定外税を創設し、負担を求めていくことを提言する」との答申を受け、市は現在、具体的な制度設計を進めている。
制度設計案によると、非居住住宅利活用促進税の目的は、▽居住者のない住宅への居住を促進することにより人口の減少に歯止めをかけ、土地及び建物の有効活用を誘導▽居住者のない住宅が存在することによる現在及び将来の社会的費用の低減を図りつつ、その経費に係る財源を確保する。
種別は法定外普通税。
納税義務者は、市街化区域に存する専ら居住の用に供する者のない住宅の所有者(住民票の有無にかかわらず、居住実態の有無によって判断)。
課税免除の対象は、▽家屋の固定資産評価額が20万円未満のもの(検討委員会の答申において示されたもので仮の金額)▽個別指定の京町家、景観重要建造物等の歴史的建造物等▽賃貸又は売却を予定しているもの(ただし1年を経過しても契約に至らなかった場合は免除しない)▽事業用に使用している又は使用を予定しているもの(ただし1年間のみ)▽固定資産税において非課税又は課税免除とされているもの。
減免対象は、▽転勤中、海外赴任中のため、居住していないもの(ただし5年間のみ)▽入院、施設入所中のため、居住していないもの▽介護等が必要なため、一時的に親又は子と同居しているもの▽DV被害者(ただし自己の居住の用に供していた非居住住宅のみ)▽固定資産税において減免の対象となるもの(災害、生活保護等)。
徴税猶予としては、非居住住宅の居住者又は所有者が死亡してから一定の間は、当該非居住住宅の処分、活用について相続人間で相談する期間として、徴収を猶予する。
課税標準は、(家屋価値割)固定資産評価額(家屋)、(立地床面積割)敷地の土地に係る1u当たり固定資産評価額×家屋床面積。
税率は、(家屋価値割)0・7%、(立地床面積割)0・3%。数字は検討委員会の答申において、想定される事例ごとの負担額の試算に用いられた仮の税率。
徴収方法は、普通徴収(6月、8月、10月及び1月のそれぞれ末日を納期限として賦課課税)。
税収見込み額は、検討委員会の答申において、想定される事例ごとの負担額の試算に用いられた仮の税率で試算。初年度約10億7000万円、平年度約11億9000万円を見込む。
今後、更に制度設計について検討を深め、制度化を目指す。新税の導入時期については、システム開発に一定の期間が必要なため、自治体システムの標準化の動向も見据えつつ、適切な時期を検討するとしている。