富山県建設業協会は、21年度「新入社員フォローアップ研修会」の参加者アンケート結果をまとめた。
今年4月以降に県建設業協会の会員企業へ入社した新入社員もしくは25歳未満で、入社1年未満(今年9月時点)の若手社員81名(富山電業協会の3名含む)に対し、研修会参加を振り返っての感想を聞いた。このうち、『会社に求めたいこと』との質問では、休日の増加や給与のアップを求める回答が大きなウエートを占め、担い手の確保・育成に向け、建設業界が推進している新3K(給与、休日、希望)への対応が急務であること改めて分かった。
研修会は、これまでの社会人生活の振り返りや自己の見つめ直しを図り、仕事に対する意識向上や早期離職の防止につなげる目的で毎年開催。今年は6日に行われ、「心模様を見直し、いま必要なメンタリティを手に入れよう」をテーマに、よしともコミュニケーションズの高沢由美氏が講師を務めた。当初の予定を変更し、オンライン(Zoom)のみで実施された。
アンケートには81名のうち、61名が回答(回答率75・3%)。最終学歴は大学・大学院卒21名(34・4%)、専門・短大・高専卒6名(9・8%)、高校卒34名(55・7%)。現在の職種が土木系技術職40名(65・6%)、建築系技術職14名(23%)、営業職3名(4・9%)、事務職4名(6・6%)。
研修会に参加した感想では、「大変有意義だった」が26・2%、「有意義だった」が68・9%で、合計95・1%を占めた。特に印象に残った研修内容では、ストレスマネジメントとストレスコーピング実践が23名で最も多く、オンライグループ演習およびペアワークが7名、ビジネスコミュニケーション、「ほうれんそう」が6名、ステータス分析とセルフチェックが5名で続いた。
社会人生活に関しては、「とても楽しい」が14・8%、「それなりに楽しい」が44・3%、「まだ分からない」が24・6%、「つらい」が16・4%で、楽しいとの回答が概ね6割を占めた。
就職して「良かった」と感じることでは、「技術や知識が身につく」が49・2%、「仕事のやりがいを感じる」が37・7%、「社内の人間関係が良い」が36・1%の順。
就職して「つらい」と感じることでは、「能力や知識不足を実感した時」が70・5%で大半を占め、「自分に自信が持てない時」が36・1%。
さらに、会社に求めたいことへの質問に対しては、「休日を増やしてほしい」が29・5%、「給与を上げてほしい」が27・9%、「休日出勤を少なくしてほしい」が19・7%、「社内教育を充実してほしい」と「キャリアアップの道筋や基準を示してほしい」が各18%、「残業を少なくしてほしい」が16・4%の順となった。
最後に身につけたいスキル・受講したい講義内容については、工程管理の基礎的知識が27・9%、CAD・設計の基礎的知識が26・2%、品質管理の基礎的知識が24・6%、安全管理の基礎的知識と資格の取得が各23%、原価管理の基礎的知識が21・3%、測量技術の基本とドローン活用が各18%、ビジネスマナー・言葉遣いが16・4%など。
このうち、資格の取得と回答した人の具体的な内容は、施工管理技士12名、建築士5名のほか、重機の免許、建設業経理士、インテリアコーディネーター、宅建士、フィナンシャルプランナーなどとなった。