日本工業経済新聞社(群馬)
2021/09/10
【群馬】県吾妻農業農村整備課 干俣地区の防除用水路更新 近く指名競争入札で
県吾妻農業事務所農村整備課は、嬬恋村の干俣地区で計画している防除用水路の更新と受水槽2基の新設工事を近く指名競争入札でそれぞれ発注する。工期はどちらも6カ月となる見込み。事業は防除用水施設の整備などを2017年度から進めているもので、23年度の完了を目指している。総事業費は4億1800万円。水利施設等保全高度化事業として20年度補正予算で国から4000万円、21年度当初予算で2400万円を確保している。21年度工事の完了時点で事業費ベースの進捗率は77%となる。
嬬恋村のバラギ湖周辺に位置する干俣地区は、県営農地開発事業として基盤整備を行った地域。防除用水施設の老朽化や受水槽の不足により、水管理や営農労力の負担が大きくなっていた。施設を改修して防除用水を安定供給することで、省力化を図りつつ担い手への農地集積や高原野菜の産地強化を図る。
バラギ湖の北側および東側に広がる196・3haの区域を第1給水区、南側に位置する45・2haの区域を第2給水区と区分している。
全体計画では主要工事として、防除用水管路7・3qを塩ビ管で整備するほか、取水施設1カ所の改修、受水槽を6カ所で新設するとしている。設計は黒岩測量設計事務所(前橋市)がまとめた。事業完了年度は23年度を予定。20年度末までに、第1給水区の管路工が完了している。
21年度は、第2給水区の防除用水管路700mを塩ビ管で更新する。また、老朽化した取水施設1カ所を改修する。使用している管路との接続は、22年度以降に着手する。20年度は平成企業(嬬恋村)が第1給水区で管路工600mおよび減圧水槽工1カ所、干川技建(嬬恋村)が管路工500mおよび減圧水槽工1カ所をそれぞれ担当している。
受水槽は、第1給水区で24立方m規模のFRPタンクを2基新設。受益面積はそれぞれ27ha程度となる。受水槽の新設工事は21年度で全て完了する。受水槽は、既存の6基に加えて、20年度までに4基の整備が完了しており全体で12基となる。20年度はヤマト(前橋市)が第1給水区で1基の設置を行った。
事業完了時には、担い手への農地集積率が50%以上になり、受益面積は241・5ha程度となる見込み。
22年度以降は第2給水区の管路工に加え、これまで整備した管路部分の舗装復旧工事を行う予定。