国土交通省は9月3日、5月の大雨で橋脚が傾いたため通行止めとなっていた川島大橋(岐阜県各務原市)について、国の権限代行による災害復旧に着手することを明らかにした。1日付で岐阜県から正式な要請を請け、3日付で決定。中部地方整備局は今後、歩行者用の仮橋設置に着手するとともに、本格的な復旧に向けた検討会を立ち上げる見通しだ。
川島大橋は、県道松原芋島線の一部として一級河川木曽川に架かる橋長343・5bのトラス橋。幅員6bの車道と片側歩道で構成している。上部工の形式は、鋼5径間連続下路式のワーレントラス。下部工は逆T式の橋台と壁式橋脚となっている。
同橋は、5月の大雨の影響で右岸側のP4橋脚の周辺が洗掘され、橋脚が約23a沈下、上部が上流側に約39a傾いた。これを受けて、県は5月28日から同橋を通行止めとし、6月から橋脚の倒壊を防ぐ緊急対策工事に着手。並行して、本格的な対策の検討を進めていた。
この検討や、地域の重要な通勤・通学路として早期復旧が求められることを踏まえて、岐阜県の古田肇知事は8月30日、8月の大雨による災害を含めて岐阜県内を視察した赤羽一嘉国土交通大臣に国の権限代行制度による復旧を依頼。9月1日に正式に要請し、3日付で国が権限代行による復旧を決めた。
中部地方整備局は、被災した橋梁を撤去し、架け替える必要があるとみており、まずは撤去と歩行者用の仮橋設置を進める方針。これらの方法や、本復旧となる橋梁の架設について、岐阜県と連携して検討を進めるとともに、着手可能な部分から調査を実施する考えだ。
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建通新聞社