建築物をバリアフリー化する条例の見直しで、県の第2回専門委員会が30日開かれ、トイレの整備基準や弱視(ロービジョン)者に配慮した施設整備などの方向性を決めた。10月に条例改正案をまとめる。
バリアフリー条例(福祉のまちづくり条例)は2016年の改正施行後、5年が経過し見直す。県は条例の適合率目標に70%を掲げ、高齢者や障害者の利用が多い用途や、適合率が低い用途施設を重点に適合面積を引き下げる。併せて改修費用の補助金制度を見直す。
主な用途で、共同住宅は現行1000平方b以上を500平方bかつ3階建て以上に、適合率が低いクリーニング店は100平方b以上を50平方b以上に、理美容院は200平方b以上を100平方b以上に引き下げる。
第2回目の専門委に提示された案では、トイレの非常用警報灯について特別支援学校や病院、ホテルなど1000平方b以上の施設に設置基準を新設。またIoT(モノのインターネット)、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を取り入れてスマホを利用した方法も検討する。車いす使用者のトイレも利用しやすい広さを確保する。
弱視者に配慮した整備では、誘導ブロックにコントラストを付けたり、傾斜路の存在を識別しやすいマニュアルをまとめる。
施設利用者の委員からは「トイレが使いやすい施設をもっと増やしてほしい」といった意見が寄せられた。
県は今後、条例と支援制度の改正案を10月に固める。その後、パブコメを実施して2月県議会に提案。来年4月に公布して10月から施行する。
日刊建設工業新聞