国土交通省四国地方整備局は、各部局が横断的に連携してインフラ分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため「インフラDX推進本部会議」を設置した。既存のi―Construction推進本部会議を改変する形で、地域の建設業界や国・県・市町村の技術者らのために、年内に「インフラDX人材育成センター」の整備計画案と、研修内容などの計画案を策定する。さらに25年度までに四国地整全体で取り組む「インフラDX推進計画(河川部会や道路部会など各部会のロードマップ)」を策定する。
四国で進めるインフラDXの方向性として、働き方改革によって担い手を確保し、事業継続性を維持するために、地元建設業の技術力の底上げをサポートしてICT技術活用の裾野を広げることなど目指す。そのために「手軽に始められるICT技術で効果を体感」「3次元設計図作成の技術支援」「小型ICT建機での体験」などの機会を得る場として、人材育成センターを香川県内で運営していく方針。受発注者の技術者や建設業界を目指す学生などを対象とする。
11月にセンターの整備方針案を策定する予定だが、21年度はBIM/CIM研修やUAV研修、ICT施工技術講習会などを開き、22年度以降は、手軽に始められる小型ICT建機などの体験を通じた講習会や3次元モデルの利活用技術の習得の機会などを設けることを検討する。
8月24日に開いたインフラDX推進本部会議の初会合では、四国地整のBIM/CIM推進のロードマップ案として、公共工事へのBIM/CIMが原則適用となる2023年度に向けて、段階的に適用する案も示した。21年度は、大規模構造物に加え、可能な調査、大規模構造物以外の設計、施工に適用する。各事務所は原則として河川、道路ごとでBIM/CIM活用業務を調査・設計で各1件以上を可能な限り実施する。調査・設計については22年度から原則適用とし、大規模構造物以外の工事については、3次元設計がある場合は22年度から原則適用とする。
提供:建通新聞社