重要港湾・西之表港は、国と県が役割分担を行い整備を進めている。洲之崎地区複合一貫輸送ターミナルでは、直轄で耐震強化岸壁を築造。基本設計等を行い2021年度内に埋立承認願書の出願を予定している。県は防波堤(沖)(改良)を継続するほか、浮桟橋連絡橋の設計を委託した。
同港は全国の離島にある重要港湾の中で耐震強化岸壁が整備されていなかったことや貨物需要の増大に伴う船舶の大型化に対応するため、20年度に港湾計画変更を行い、今年度から洲之崎地区複合一貫輸送ターミナル整備が事業化された。
内容は、直轄で水深7.5mの耐震岸壁(210m)と泊地(1.3ha)浚渫をはじめ、臨港道路(0.8km)を担当(事業費68億円)。県は起債事業によりふ頭用地(3.9ha)の造成(事業費17億円)を担う。全体事業費は85億円、完成は26年度を見込む。
耐震岸壁の整備に向けた取り組みは、公有水面埋立承認願書作成(期限22年1月31日)を中電技術コンサルタント、岸壁の基本設計(同12月24日)は日本港湾コンサルタント、地質調査(同10月15日)はアーステクノが担当。現地工事にあたり必要となる調査・設計を進める。
また、防波堤の耐津波性と係留施設の耐震性で照査を行う業務(同22年2月10日)はエコー・日本港湾コンサルタント・ニュージェックJVに委託した。
このほか、県では高速船で来島する乗客等の利便性向上を図るため浮桟橋連絡橋(設計は第一復建)を予定しているほか、防波堤(沖)(改良)の整備で上部工や消波工等を進める。