県土整備部が「9月補正」に要求する繰越額は95億3000万円と、例年にない規模に膨れ上がりそうだ。同部は今年度、「発注の平準化」に向け早い段階からの繰り越し手当てを部内会議で確認。この結果、前年度同期17億6000万円を大きく上回る額を繰り越し措置し、年内に発注して工期の平準化につなげる。
「9月補正」に要求する繰越額は今月内にかけて概要をまとめる。
同部による発注の平準化に向けた取り組みでは、翌年度予算を先食いするゼロ県債などの翌債工事を積極的に活用。さらに今年度からは例年「11月補正」から本格要求している繰越額を「9月補正」の段階から前倒しする。
年度内完成が見込めなくなった現場は、早めに見極めて繰り越し措置を講じる。11月補正では実質、年明けからの発注になるが、9月補正だと年内からの執行が可能になる。翌年度にまたぐゆとりある工期を設定し、施工効率の向上に結び付ける。
同部技術企画課によると、特に6月―10月の出水期に現場に入れない河川工事では、翌債を上手く活用することで継続して進ちょくが図られるとみている。
今回「9月補正」に盛り込む繰越額は、7月豪雨被害の建設災害復旧費47億円が多くを占めるものの、通常事業では▼道路23億7000万円▼河川・海岸10億7000万円▼砂防9億円―などを要求。前年度同期に比べ約5・4倍の繰越額に上りそうだ。
日刊建設工業新聞