一般社団法人富山県安全施設業協会は、道路標識、路面標示、防護柵などに携わる専門工事業らで構成。河合信輔会長は、「交通安全施設の設計・施工を通して、安全で快適な交通環境の確保に努めている」と業界が果たす役割を強調。施設の老朽化対策や適切な維持管理、通学路の安全対策などの諸課題に対応しており、「交通や生活を直接守っていることを誇りに、交通事故や用水等への転落を1件でもなくし、人の命を救いたい」との強い信念を示し、安全・安心なまちづくりを目指す。協会運営にあたっては、若手理事と活発に意見を交わし、情報を共有。「将来を見据えて後進を育成、体制を整え、次の世代にバトンタッチしたい」とし、さらなる業界発展に期待を寄せる。
2000年から毎年、道路環境美化ボランティア活動を展開し、「県内主要道路の標識やカーブミラーなどの清掃、点検調整を地道に積み重ねている」と説明。さわやかな気持ちで道路を利用し、安全施設への認識を深めてもらう。子どもを守ろうプロジェクトは、小学校の敷地内や通学路に児童がデザインした交通事故防止や防犯に関する路面シートを貼付するもの。「学校や地域、関係機関と連携しながら、14年から子どもの安全対策として取り組んでいる」とし、今年度は黒部市立桜井小学校で実施を予定している。3月には県と災害時応急対策業務の協定を締結した。引き続き、地域貢献や関係行政機関への協力を積極的に進めていく。
今年度から土木科高校生に対する出前講座を始めた。協会役員や会員企業の担当者が富山工業高校、桜井高校、高岡工芸高校を訪れ、安全施設の種類や機能、現場の作業内容などについて詳しく解説。生徒はラインマーカー車の試乗に続き、実際に駐車場路面で作図、プライマー塗布を行い、白線引き作業を体験した。「地域に役立っている達成感、生活環境整備を担う重要な仕事であるという誇りと使命感を養ってもらう」と説き、魅力ある業界をPRし、担い手の確保につなげていく。登録標識・路面標示基幹技能者、道路標識点検診断士・道路標識設置診断士、路面標示施工技能士など各種資格制度の普及にも力を注ぎ、技術力の向上を図る。
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かわい・しんすけ 1958年高岡市出身。日本大学商学部卒。大学3年時から中央工学校に通い、土木を学ぶ。04年に北陸道路標識の代表取締役。全国道路標識・標示業協会北陸支部富山県協会の会長も務める。63歳。趣味は登山、ゴルフ。