大阪府と大阪市は8月23日、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会を開き、万博の大阪パビリオン出展基本計画の検討状況について公表した。大阪パビリオンには未来の医療ショールームやアンチエイジング・ライドなどを整備し、最先端の医療技術やライフサイエンスを万博開催地から世界に発信する。早ければ10月に府が基本設計の公募型プロポーザルを公示する。発注者は未定だが、技術提案・交渉方式(ECI方式)を採用する施工会社の選定については、公募型プロポーザルで早ければ22年7月に募集する予定だ。設計・工事費の総額は70億〜80億円を見込む。
建物には▽未来の医療ショールーム(近未来に実現する医療施設などを展示、体験できる参加型展示)▽アンチエイジング・ライド(自動で健康診断できる乗り物)▽展示・出展ゾーン▽イベント・催事ゾーン▽レストラン▽未来の医療SHOW(再生医療などを題材にしたストーリーを演劇風の演出で体験できる)▽REBORNコンテンツゾーン(フィットネスプログラムなどの体験)―などを設ける。
建設用地の面積は約1万0800平方b、建物の規模は2階建て(一部3層)延べ約8950平方bを想定。このうち、万博閉会後も残る本設建物となる展示施設は延べ床面積約2400平方b。ライド棟(3層)、催事・物販・レストラン棟、ホール棟、展示棟で構成する仮設建物の延べ床面積は計約6550平方b。周囲には、熱源供給施設、企業館、その他自治体パビリオンなどが配置される予定だ。
9月に出展基本計画案を策定した後、22年度末までに基本設計と実施設計を行い、23年4月に着工するため、設計段階から工事施工業者が技術協力するECI方式を採用し、工程を短縮する。合わせてECI方式にかかる技術的支援などを行うCM業務を導入し、24年10月の完成を目指す。
府が10月ごろに基本設計、22年1月以降にCM業務の公募型プロポーザルを公示する。発注者は未定だが、実施設計者とECI方式による施工会社をそれぞれ、早ければ22年7月にプロポーザルで募集する予定だ。
吉村洋文大阪府知事は、「大阪府市と民間事業者が一体となって取り組み、次世代にもつながるパビリオンをつくる」と強調しながら、「今回の計画地となる夢洲の他、中之島の未来医療国際拠点は24年春にオープン、うめきた2期は24年夏に先行まちびらきを予定。うめきた2期もライフデザインをテーマに、みどりを中心とした都市空間の拠点となる。これら大阪のまちづくりの拠点を共に“面”として捉えていきたい」と話した。
提供:建通新聞社