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滋賀産業新聞
2021/08/25

【滋賀】東近江市 市博物館構想を策定へ

 東近江市文化スポーツ部歴史文化振興課は、市内にある既存の博物館施設の取組を整理し、連携及び活性化を図る構想を策定するとともに、森の魅力と文化を情報発信し伝承していく手段を立案することを目的とする「東近江市博物館構想策定業務」の実施を計画。係る業務の受託予定者を選定するための公募型プロポーザルを、20日に公告した。業務委託期間は、契約締結日から22年3月31日まで。委託上限額は、1000万円(消費税を含む)。
 鈴鹿の山から琵琶湖まで市域が広がる東近江市は、森里川湖の連続する自然環境の中で歴史文化が醸成されてきた。市内には近江商人博物館、西堀榮三郎記念探検の殿堂及び能登川博物館をはじめ、ガリ版伝承館、旧湖東歴史民俗資料館など、公立や民間の博物館、関連施設が数多く設置されている。これら、市の奥深い魅力を伝えるためには博物館が相互に連携し、関係機関と協働していくことが求められており、業務の中で、その方向性について市内博物館全体の構想を策定する。
 また、市域の56%を占める森林で育まれた木地師文化をはじめとする歴史、自然等の地域資源については、全国に情報を発信する手段等が必要であり、全体構想の中で森の魅力を具現化し、文化を伝承していく方策を検討する。
 委託する業務の内容は、既存博物館については@現状の調査、把握、分析と課題の整理、A全体構想の策定(▼市内博物館のあり方・基本理念の検討、▼市内にある公立及び民間博物館で、活用されていない歴史資源を抽出し、新たな施設機能の付加や現状機能の向上について検討、▼ガリ版伝承館、野口謙蔵記念館及び旧湖東歴史民俗資料館の施設運営については、今後の活用策を検討)する。
 森の文化を情報発信し伝承していく手段の検討については、@森の文化を情報発信する手段の構想(豊かな自然の中で育まれた林業、鉱山業、製茶業、製炭業及び木地師文化等の地域資源について、森の歴史文化を顕彰し発信する方策及び手段等を検討し、方向性や考え方を決定する)、A森の文化の伝承に関する基本計画(▽理念や性格付けを整理、▽資料収集・展示・活用及び保存策など活動の基本的な考え方を提示、▽展示や情報発信の機能について計画をまとめる)、B森の文化の伝承に関する検討委員会(事務局と協議して委員会(年3回程度)の運営を行う)―の内容。
 その上で、▽博物館基本構想、▽森の文化の伝承に関する基本計画、▽博物館基本構想概要―などを成果物として作成する。

提供:滋賀産業新聞