彦根市は、去る6月議会で解体から「方向性を検討する」との方針が示された「ひこね燦ぱれす」と、計画が「延伸」された新図書館「中央館」の整備計画について、近く9月市議会にていずれの施設についても方向性が示される見込み。「ひこね燦ぱれす」を解体せず利活用が決定した場合、跡地を駐車場利用する予定で本体施工中の「市スポーツ・文化交流センター」は、敷地計画を当初より変えるための設計変更の発注が必要となり、その後今年12月をメドに外構工事が発注されるとみられる。
「彦根市スポーツ・文化交流センター」は、国スポ会場として総額82億2000万円を投じ、JR南彦根駅西口近くでRC造一部S造3階建の体育館施設と、2階建の交流施設から成る総延面積1万3776平方b規模の複合施設を、鴻池組の施工で本体工事を整備中(設計=石本建築事務所・大阪市中央区)。
「ひこね燦ぱれす」(彦根市小泉町648―3)は、勤労者のための施設として雇用・能力開発機構と彦根市が平成3年に整備したRC造2階建、延2267平方b規模の、多目的ホールや研修室等を備える施設。21年度(令和3年度)末までの指定管理者は財団法人彦根勤労福祉会館。
当初計画によると、市スポーツ・文化交流センターの事業用地は「ひこね燦ぱれす」を解体した跡地と、その周辺をあわせた約3万6000平方bとなっていたが、解体反対の声を受け5月に就任した和田裕行市長が「財政影響を踏まえて方向性を検討する」としていた。事業用地の21年度(令和3年度)分の外構工事費予算は1億2000万円(債務負担行為令和3〜4年度)で、「ひこね燦ぱれす」の解体工事費は含まれておらず未措置。外構工事は全体完了の22年(令和4年)6月に向け、21年(令和3年)12月をメドに発注される見込み。
またJR河瀬駅付近で用地決定まで進めてきた新たな図書館「中央館」の整備についても、同じく6月議会で財政状況等を理由に当面「延伸」が表明されたことに伴い、整備計画の変更が予想され、9月市議会で具体的な方針が示されるとみられる。
「中央館」整備計画は用地決定を経て21年度(令和3年度)当初予算に1418万円を措置済みで、新たなコンサル業務を委託し、用地確保に向けた諸手続きや、中央館整備にあたって機能や規模等を定める仕様書作成、整備手法についての検討が予定されていた。現段階ではコンサル業務は発注されていない。当初計画ではその後、22年度(令和4年度)以降の基本や詳細設計、建設工事へと進めるとしていた。
提供:滋賀産業新聞