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建通新聞社四国
2021/08/20

【高知】県 松田川・与市明川で流域治水PJ作成

 高知県は、宿毛市を流れる松田川・与市明川水系の流域治水プロジェクトをまとめた。県内の2級河川では初めての作成となった。5年間で実施する短期の対策と、30年間で進める中長期的な対策に分類し、河道掘削や、堤防整備、海岸の地震・津波対策などハード・ソフト両面での取り組みを示した。
 氾濫をできるだけ防ぐ、または減らすための対策では、短期的な取り組みとして与市明川の堤防整備と与市明川支川の錦川両岸へのゲートポンプ整備を進め、堤防整備や河道掘削、下水道維持管理、海岸の地震・津波対策を実施し、中心市街地での重大災害の発生を未然に防ぐ。
 中長期的な対策では、短期で実施した取り組みを継続する他、宿毛市が公共施設の移転に伴い設置した調整池の維持管理を進め、林野庁四国森林管理局などが森林の整備保全や治山事業を推進し、治水安全度を向上させる。
 被害対象を減少させるための対策では、宿毛市が市庁舎と保育園、県が合同庁舎や警察署、国が海上保安署を水害リスクの低い高台に移転する。中長期的には適切な土地利用の誘導施策について検討する。
 被害の軽減、早期復旧・復興のための対策では、県が災害時緊急輸送ルートの確保に向け県道宿毛城辺線の嵩上げを進める他、津波避難意識向上のための津波災害警戒区域の検討などソフト対策を中心に実施する。
 流域治水プロジェクト作成を巡っては、2020年度に国が中心となり四万十川、仁淀川、物部川、吉野川の1級水系について対策を取りまとめた。21年度からは主に県が主体で2級河川の作成を進めており、今後鏡川、国分川水系と安芸川、伊尾木川水系の取組方針も検討する。
提供:建通新聞社