JR東海(名古屋市中村区名駅1ノ1ノ4)は、リニア中央新幹線整備のうちの第一中京圏トンネルの坂下西工区(春日井市)について、泥水式シールド工法を採用することを明らかにした。隣接する坂下東工区については今後、工法を確定していくとしている。
シールド工法は大きく分けて「泥土式」と「泥水式」の二つに分けられる。泥水式工法では地上に多くのプラント設備が必要となるため、広い施工ヤードが必要となるが、坂下非常口のヤードが十分に広いことから、同工法を採用するとした。
工事を進めるに当たっては、シールドトンネル端部から約40bの範囲内にある建物を対象に、事前の家屋調査を実施することにした。このため、対象者に調査協力依頼を行う。具体的なスケジュールは、坂下非常口〜神領非常口の区間が2021年下期、神領非常口〜勝川非常口の区間が22年度下期から順次実施するとした。
第一中京圏トンネルは、全長約24・8`で、このうちシールドトンネル区間は約19・8`(大深度地下使用区間は約17`)。愛知県内では、名城、坂下西、坂下東、西尾の4工区に分けており、このうち西尾工区以外の3工区がシールドトンネル区間となる。施工者は、名城工区が前田建設工業・三井住友建設・大日本土木JV(約1・7`)、坂下西工区が安藤ハザマ・不動テトラ・福田組JV(約10・1`)、西尾工区が大成建設・日本国土開発・ジェイアール東海建設JV(約4・7`)となっている。坂下東工区(約2・2`)は未契約。
JR東海は8月17日、東京外かく環状道路陥没事故を踏まえ、シールドトンネルの安全性について、春日井市で住民説明会を開催。事故が発生した区間は特殊な地盤で、施工上の課題があったことを説明した上で「春日井市には事故の原因となった特殊な地盤がないこと」「東京外環で使用された泥土圧工法とは異なる工法であること」を説明した。
提供:建通新聞社