日本工業経済新聞社(群馬)
2021/08/10
【群馬】県企業局発電課が関根発電所を設計施工一括で近く公告
県企業局発電課は、関根発電所(前橋市関根町堰下917)の全面更新について、近く設計・施工一括で総合評価落札方式の一般競争入札を公告する。WTO案件となるため参加企業の所在地などは限定しない。JVを編成しての参加は可能としている。工事対象は、水が流入する水槽ゲートから建屋を含む発電所部分、放水ゲートまで全般。総事業費は約60億円で、2025年度末までの完成を目指す。
発電所は、利根川から取水した農業用水を利用している。現行の発電機は横軸三相交流同期、水車がチューブラとなり、有効落差は9・5m、最大出力7800kW。最大使用水量は毎秒99立方mで県営水力発電所の中では最も大きい。前後区間に田口、小出、柳原の3発電所があり、上流から2番目に位置している。
発電機などが入る建屋はS造で建築面積は約420u。ゲートは水槽ゲートがW8900o×H7300o、放水ゲートがW5460o×H1万330oで、いずれも鋼製ローラーゲートとなっている。1967年に運転を開始。施設が老朽化していることから全面更新を計画した。25年度までの債務負担行為を含め事業費は59億9500万円。
リニューアルは2門のゲートと水車、発電機、発電機の入る建屋など施設全般が対象となる。建屋内の地下にある発電機や水車を設置しているスペースも更新する。それぞれの規模は現行の施設や設備と同程度を想定。水車や発電機の形式などについては設計の中で詰めるとしている。農業用水路として利用しているため、発電所の側面を通る余水路の水を止めずに工事を進めていく。ゲートに面する水路部分は工事スペースを確保するために水が入りこまないような仮設工事を行い対応する方針。
発注は設計と工事の全工程を一括して行う予定。水路本体についてはリニューアル工事などは行わない。