徳島県建設業協会(西村裕会長)と国土交通省四国地方整備局が徳島市内で意見交換会を開いた。四国地方整備局は、若手が活躍できる業界を目指して『週休2日の発注者指定方式の拡大』『監理技術者の専任緩和』を主要施策として示した。協会側の「まだ業界の賃金は低い。単価や費用が合わない」という意見に対して同局は「どういう実態なのか、しっかり調べ、われわれの予定価格に反映さなければいけない」と答えた。
協会が提出した意見書は@社会資本整備に必要な公共事業予算の確保A国土強靱化の推進B新担い手3法―についての3項目。特に、新担い手3法に関しては▽適正な予定価格の設定に当たり、根拠となる積算内訳(工事設計書)を所定の要件を満たす範囲で適時公表する▽単価の決定は、特に実態と乖離(かいり)している恐れがある場合は、適正な予定価格設定のために適宜見積もり徴収して適切な対応を図る―ことを求めた。
意見交換会では、協会側が検査技術の要求事項が増えて書類の簡素化になっていない市町村があることを訴えたのに対し、同局は「市町村を含めわれわれの取り組みを水平展開したい」と答えた。
続いて協会側は「週休2日は休めないのが実態で、このままでは若者が喜んで業界に来ない。現状を調査して改善を図り、施策を考えてほしい」と要望した。
さらに協会側は「国が県や市町村にさらなる指導をすべき。歩切りする自治体には特に強く改善を図るようにしてほしい」と要請。併せて、「今の人出不足は工種や工法の歩掛り、利益率が極端な場合があることも一因。不調・不落の原因の一つにもなっている」と訴えた。
協会側からはこの他、仕事量が集中する現状について「事業の平準化を常に意識してほしい」「もう1段の技術者要件緩和も考えてほしい」との意見があった。同局は「週休2日の実現のためにも、費用面、処遇面から若者に魅力を感じてもらう必要がある。補正予算で発注が集中したが、若手に選んでもらえる業界となるよう、今後、新しい技士補制度、高齢化などを念頭に、若手が活躍できる責任ある仕事、モデル工事などを考えていきたい」と答えた。
提供:建通新聞社