滋賀県湖東農業農村振興事務所は、管内の土地改良事業で、新たに21年度(令和3年度)の事業採択に向けて、南三ツ谷地区(彦根市南三ツ谷町)における「経営体育成基盤整備事業」の準備を進めている。総事業費は約8億8500万円で、事業年度は21〜25(令和3〜7)年度の5ヵ年。
彦根市南西部の地区の田100・2fを対象とした経営体育成基盤整備の事業計画では、用水路及び排水路の改修整備と暗渠排水の新設整備を実施。9月1日まで縦覧しその後意見書を受け付ける土地改良法に基づく手続きが順調にいけば、決定公告から21年度(令和3年度)県営事業として新規採択され、秋頃にも湖東農振から測量業務に続き土質調査と詳細設計が発注される見通し。
土質調査と詳細設計は22年度(令和4年度)までかけて進め、完了後非かんがい期に入る秋頃にも初弾工事を発注・着工したい考えだ。暗渠工・弁更新や排水路・BOXカルバート等工種が多いため、工区を区切り、年度ごとに各工区に着手・施工し、25年度(令和7年度)の最終工区まで進めたい考えだが、詳細設計内で最終決定するため現時点では未定。なお、事業計画書案は愛西土地改良区が20年度(令和2年度)、キタイ設計(近江八幡市)に委託し作成した。
整備を予定するのは、受益面積100・2fにおける▽用水路改修・延長11・94q(トンネルその他、VU・VM、給水栓、仕切弁、空気弁等)、同73・9fにおける、▽排水路改修・支線排水路延長5・057q(開渠延長4・267qおよびトンネルその他延長0・789q、プレハブ柵渠)、同98・4fにおける、▽暗渠排水(吸水渠PEφ60_×延長1960b/f、集水渠VUφ65〜100_×延長157b/f、排水施設・プレハブ柵渠延長68b/f)の整備など―。なお、総事業費8億8500万円のうち排水路工は4億2860万円、暗渠排水工は2億8080万円、用水路工は7040万円を、それぞれ試算。
「南三ツ谷地区」の経営体育成基盤整備事業では、老朽化等により機能低下や排水不良が生じている地上構造物の用水路(給水弁、空気弁、仕切弁、排泥施設)および幹線・支線排水路(アーム柵工)について、農業用排水路施設整備(用水路及び排水路の整備)と暗渠排水の新設整備により、野菜等への転作への取組推進等を図り、中心経営体の効率的かつ安定的経営の充実および地域農業の持続発展を図る。
提供:滋賀産業新聞