新潟県の花角英世知事と岡村次郎北陸地方整備局長は5日、県庁で懇談し、頻発化および激甚化する自然災害対応や円滑な事業推進に向けて、安全安心で暮らしやすい新潟県づくりを目指し、連携を図っていくことを確認した。
はじめに、岡村局長は全国で甚大な被害をもたらしている自然災害に触れた上で「しっかりと国土強靱化の予算を執行し、安全安心の確保、インフラの維持管理に取り組む」と強調。また、昨年の大雪での除雪対応に関し「建設業はエッセンシャルワーカー。担い手確保や効率化を進めながら、安心な環境づくりにおいて県と連携を図る」と話した。続いて、花角知事は経済活動、社会活動を支えているインフラ整備の重要性を説き「生命、財産を守るのが政治、行政の1番の使命」と一層の協力を求めた。加えて、防災、減災、国土強靱化のための5か年加速化対策をフル活用するとともに「官民が連携し、カーボンニュートラルの脱炭素化を強力に進める。新潟港がカーボンニュートラルポートに選ばれ、活力ある新潟を実現していきたい」と語った。
県からは国土強靱化対策の着実な推進、高速道路等の着実な事業進ちょく、除雪費に係る国庫支出金の総額確保やICT活用といった効率化に向けた財政支援の要望に加え、広い県土と長大な河川等を有することから、必要な予算確保および地方負担のさらなる軽減などを求めた。一方、整備局は県内の主要事業として、信濃川水系緊急治水対策プロジェクト、大河津分水路改修事業、国道7号朝日温海道路、国道49号水原バイパス、国道253号上越魚沼地域振興快速道路、両津港湊地区岸壁改良事業(新規)などの概要を説明したほか、遠隔臨場における現場の効率化事例を紹介。また、小規模工事での普及拡大を目指し、21年度からICT活用普及促進工事として、管内で6現場(県内4程度)を公開する予定。