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建通新聞社(神奈川)
2021/08/05

【神奈川】三浦市 下水道コンセッション募集要項示す

 三浦市は、PFI法に基づく特定事業として実施するコンセッション方式の「三浦市公共下水道(東部処理区)運営事業」の募集要項を公表した。8月10日に募集要項などに関するウェブ説明会を開き、10月20〜29日に参加表明書などの提出を受け付ける。参加資格要件は三浦市競争入札参加資格者名簿に登録されている者であることなど。応募者の構成は、単体企業または企業グループ。優先交渉権者として選定された場合には、応募企業または代表企業および構成企業の出資により、同事業を実施する運営権者となる特別目的会社(SPC)を設立する。2022年7月に優先交渉権者を決め、23年4月に事業を開始する。事業期間は43年3月までの20年間。
 事業の対象区域は三浦市公共下水道事業計画(東部処理区域)の総体で、運営権設定の対象となる施設は▽処理場(東部浄化センター)▽ポンプ場(金田中継センター)▽管路施設(感染管渠、枝線管渠、マンホールポンプ、マンホール、公共汚水ます、取り付け管)―など。運営権者は、▽経営に関する業務(事業計画の作成、実施体制の確保など)▽ストックマネジメント計画の更新および見直し▽下水道事業計画変更▽対象施設の改築・維持管理・増築に関する企画、調整、実施に関する業務―を行う。改築・増築には設計・工事も含む。
 市は応募者からの提案を求めるに当たり、市による事業費と民間事業者による事業費の差を算出し、事業者に支払う下水道利用料金設定割合を示した。23〜29年度は80%、30〜33年度は82%、34〜37年度は83・5l、38〜41年度は86・5l、42年度は85・5lとなっている。
 また、各種計画支援の予定価格を2・79億円、改築・増築の設計や工事の予定価格を57・91億円とした。これを市が支払う上限として、応募者の提案を求める。市は17年度に策定した「ストックマネジメント計画」で下水道施設の改築時期や想定工事費などを示している。
 対象施設の東部浄化センター(南下浦金田2736ノ5)が1・5系の標準活性汚泥法で、sh処理能力は1日当たり8050立方b。施設は管理本館(沈砂池)が鉄筋コンクリート造地下1階地上3階、水処理棟が鉄筋コンクリート造地上1階、汚泥処理棟が鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て。
 金田中継センター(南下浦町金田206ノ8)は、鉄筋コンクリート造地下2階地上2階建で、1分間の揚水量は毎分12立方b。
 管路施設(幹線管渠、枝線管渠、マンホールポンプ、公共汚水ます、取り付け管)は全体延長5万8165b、うち幹線管渠延長8496b。
 市は、経常収支比率が2012年度に全国ワースト3位になった財政状況と、収支見直しのために15年度に下水道使用料を約16%値上げした状況などを踏まえ、下水道事業への民間活力の導入を決めた。提供:建通新聞社