日本補償コンサルタント協会北陸支部(海津直矢支部長)と北陸地方整備局用地部(樋口達也部長)との意見交換会が3日、新潟市中央区で開かれた。
新型コロナ対策として、支部からは対面での打ち合わせが減少していることから、コミュニケーション不足を指摘する声が上がり、用地部はウエブ等を活用し業務に支障がないよう、対応するなど双方が連携していくことを確認した。業務の中止または延期は20年度に数件発生したものの、21年度(6月30日時点)はゼロ件。発注済み61件がすべて総合評価落札方式(簡易公募型)を導入し、20年度の落札率は97・1%(全104件)で対前年度比10・4ポイント上昇。技術評価および価格ともに1位は約6割に上るという。業務成績は過去最高点だったとし、用地部では「総合評価の導入により、平均点が上昇し成果が出ている」と分析。一方、低入札調査基準価格相当額の履行確実性審査となった件数は、20年度が10件、21年度(6月30日時点)はすでに10件に上り、すべて20年10月の台風19号における信濃川水系(千曲川)の緊急治水対策プロジェクト案件。
冒頭、海津支部長から「公共事業の施行に起因する事業損失調査・算定業務の分離発注」の1項目のほか、本部3項目の要望書が樋口部長に手渡された。事業損失調査・算定業務の分離発注について、用地部担当者は「すべて補償コンサルタントとして取扱い、北陸地区用地対策連絡会を通して説明している」と回答。海津支部長は「公共事業推進の一翼を担い、その重大性を認識している。さらに技術の研さんを積み、期待と信頼に応えていく」との考えを強調し、樋口部長は21年度用地補償関連の予算状況などを説明した上で「計画的で迅速な用地調査を行うためには、高い技術を要する北陸支部が必要不可欠。より一層の連携が必要であり、円滑な業務発注に努めていく」と理解と協力を求めた。
支部では、同局や新潟県と結んでいる災害応急対策業務の災害協定について、未協定の富山、石川両県とも締結に向けた協議を進めたい考え。