近江八幡市は、ビッグプロジェクトの一つである新庁舎整備事業について、昨年8月から約1年かけて取り掛かっていた基本設計がついに完了したと明らかにした。
それによると、パブリックコメントや市民説明会などの声を最大限反映させた上で各階のレイアウトや備えるべき機能・設備などをまとめたとしている。
内容を見ると、現庁舎敷地内にS造4階建、延約9000平方bの新庁舎を建設する。内部は、初めて来庁した人にもわかりやすい明快な全体構成となるよう、市民利用の多い部署を1・2階に集中配置、管理・市長室関係を3階、議会関係は4階と明確な階別ゾーニングとした。全体にユニバーサルデザインを採用し、採光・照明で視環境に配慮、大型スイッチや人感センサーを設置するほか、内装に地場産の木材を使用し暖かみを持たせるなど、すべての世代が使いやすい施設を追求すると示した。
また、自然環境を活かした「環境共生型庁舎」となるよう、高寿命機器を採用する省エネシステムの構築や環境負荷低減の取り組みの一環としてエコボイド等を設置する。
なお、庁舎整備基本設計業務は、滋賀県建築設計監理事業協同組合(大津市)が担当した。
工事については、去る6月の定例市議会上で、小西理近江八幡市長が庁舎整備への今後の進め方を議員から問われた際に「9月補正予算に工事費を債務負担行為で計上し確保したい」と発言。これを受け、議員からは検討の余地があるのではとの意見等が出たことから、約2ヵ月程度をかけ内容の再検証や関係者への庁舎整備への理解を深めるための協議の場を設けることなどを実施し、今まさに取り組んでいるところで、9月議会招集までに結論を出す見通しだ。このことから可能と判断した場合は9月議会へ予算案件として上程、9月議会までに各種条件が整わない場合は、工事費確保を行わず、さらに先延ばしする可能性もあることから現在のところ未定。
発注方式等については、従来通り設計施工一括発注方式(DB方式)の採用を予定している。完成時期については、予算確保時期が不透明であることや選定業者の施工技術及び計画内容により変動することから現在のところ不確定としているが、当初計画通り、23年12月頃を目標としていく見通しだ。
提供:滋賀産業新聞