印西地区環境整備事業組合(印西市大塚1―1―1、管理者・板倉正直印西市長)が計画する「(仮称)印西クリーンセンター次期中間処理施設整備事業」に係る環境影響評価手続きが始まった。3日に計画概要書の縦覧を開始。9月2日まで縦覧に供している。印西市吉田地区に日量約156t(日量約78t×2炉)の廃棄物焼却施設と日量約10tのリサイクルセンターを整備。2024年度に設計と造成工事、25〜27年度に施設建設工事を行い、28年度の供用開始を目指す。
同事業は、現施設が老朽化し、代替施設の整備が必要となったことから、廃棄物焼却施設およびリサイクルセンターを含む「(仮称)印西クリーンセンター次期中間処理施設」を整備するもの。
焼却施設は1日24時間稼働、リサイクルセンターは同5時間稼働。焼却施設の形式はストーカ方式全連続燃焼式焼却炉。ガス冷却方式は廃熱ボイラ式。煙突の高さは59m。
事業の実施区域は、印西市吉田字馬込546番ほか地先。区域面積は約2万4000uで、将来的に同一敷地内での建て替えを考慮した面積とした。事業実施区域のうち、平地部約1万8000uに廃棄物焼却施設およびリサイクルセンターを設置し、残る約6000uの斜面森林部を緑地とする計画。
平地部約1万8000uの敷地の中央部南寄りに、焼却施設とリサイクル施設からなる工場棟を建設し、工場棟の周囲に構内道路、駐車場、防災調整池およびその他必要な施設を機能的に配置する。敷地面積は工場棟6500u、構内道路、駐車場、防災調整池など約1万1500u。
ごみ焼却過程で発生した熱は、蒸気・温水および電気として次期施設および地域振興策で利用する。地域振興策については「地域まるごとフィールドミュージアム構想」をテーマに掲げ、地域の持続と再生に必要な「吉田区のインフラ整備等」のほか、次期中間処理施設の隣接地において、地域資源や排熱エネルギーを最大限活用する「多機能な複合施設」の整備を計画する。整備予算に33億8100万円以内を見込む。
基本方針として▽地域住民等の理解と協力を確保する安全・安心な施設整備▽循環型社会形成と地域活性化の拠点となる施設整備▽経済性と高度なシステムの両立を目指した施設整備――を掲げ、安全で安定的なごみ処理の実現を目指す。
同事業では、19年度に基本設計および建設工事発注支援業務、環境影響評価、長期責任型運営維持管理発注支援などを行う「次期中間処理整備事業総合支援業務」を、エックス都市研究所(東京都豊島区高田2―17―22)に委託。委託期間は24年3月29日までとなっている。
また地域振興においては、17年度に流通研究所(神奈川県厚木市寿町1―4―3―2)に委託し、地域振興基本計画をまとめた。地域基本計画については、19年度に開発エリア面積などを変更した。
計画概要書の縦覧は環境影響評価手続きの一環として実施。県環境生活部環境政策課、印西市都市建設部都市計画課、同組合で閲覧できるほか、印西市のホームページで公開している。