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西日本建設新聞社
2021/08/03

【熊本】整備計画策定へ熊本市が検討委 NHK跡地の保存活用

 熊本市は7月27日、市役所別館で特別史跡熊本城跡保存活用委員会(委員長・伊東龍一熊本大学教授)の今年度初会合を開き、千葉城地区の整備基本計画と熊本城内の樹木管理計画について、2022年度中の策定へ向け意見を交わした。
 NHKとJTの跡地で構成する千葉城地区は、歴史文化や芸術に親しむことができる文化交流ゾーン≠ニして整備する。NHK跡地は、熊本城総合事務所等の事務を集約した管理機能や、熊本城の調査研究成果を発信するガイダンス機能を持った施設、JT跡地は、隣接する高橋公園との一体的な史跡整備を想定している。
 NHK跡地の整備にあたっては、文化財価値の保存、千葉城地区の歴史を表示、熊本城の理解促進、景観保全と緑地の整備、歴史・文化を伝える整備―の5項目を基本方針に据えた「千葉城地区整備基本計画」を22年度中に策定し、23年度以降、設計・工事に着手する見通しだ。
 熊本城内の樹木管理については、昨年度の委員会で承認した「熊本城樹木点検のてびき」に基づき実施した点検結果を報告するとともに、今後の対応方針等について説明があった。
 点検した樹木は2923本に上り、そのうち324本(11%)について枝折れの危険性があると診断。重要文化財建造物上に枝がかかっていたり、根が石垣を圧迫する等の遺構に影響を与えている樹木350本と合わせて、伐採や剪定等が必要との認識を示した。
 また、樹木で重要文化財建造物や石垣が隠れてしまっている視点場についても、眺望確保のために剪定等の対応を検討するとした。
 今後は、古樹の詳細点検や視点場からの眺望を確認をするためのテスト剪定、市民アンケート等を実施し、22年度策定予定の「熊本城みどり保存管理計画」に反映していく考えだ。
 計画策定へ向け委員からは「歴史的な観点と合わせた整備を」「データに基づいた議論を進めていくべき」との意見があった。
 検討委ではこのほか、今年度に実施する熊本城復旧整備の概要紹介もあった。

提供:西日本建設新聞社
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