国土交通省四国技術事務所は、人工知能(AI)などの新技術を活用してダムの効率的・効果的な管理と操作を実現するため、課題の整理や計画作成などを行う検討業務を建設技術研究所(東京都中央区)に委託した。
これまでに蓄積したダム管理に関するデータや、分単位で更新される天気予測などをAIで処理し、その時々の条件に合った効率的・効果的な管理・操作手法の提案をAIから受けられるようにする。従来の手法に比べて人的負担の軽減や、より適切な管理、操作の実現を目指す。
ダム管理手法については、四国内の直轄ダム8カ所を対象に、管理へのAI導入の可能性を検討する。それぞれの課題などについて各ダムの管理者にヒアリングをして、適用可能性のあるAI技術を抽出し、ダム管理支援システムの全体像を模索する。導入するAI技術について、必要な観測機器やCCTVカメラなどのデータ取得機器の設置状況や観測データの取得状況などを踏まえて、新たに必要な設備と概算費用を検討する。さらに、AI技術の導入への概略工程をまとめる。
ダムの操作運用に関しては、野村ダム(愛媛県西予市)を対象に低水AIを活用した低水管理モデルを構築する。鹿野川ダム(愛媛県大洲市)をモデルに20年度までに検討したAIによる流入量予測モデル、洪水調節操作や警戒態勢配置のタイミングの助言といったダム操作支援システムの構築方針を参考に、野村ダムでの同様のモデルを検討する。さらに、同ダムをテストケースとした流入量予測と最適操作予測を、直轄8ダムへ適用できるかを検討する。
提供:建通新聞社