建通新聞社(神奈川)
2021/08/02
【神奈川】横浜市 金沢・鶴見工場の浸水対策を検討
横浜市資源循環局は、市内4カ所のごみ処理工場のうち金沢工場と鶴見工場の浸水対策の検討を開始する。地震による津波や高潮の水害が発生した場合、どのような対応策が最も効果的で時間やコストをかけずに実行できるか検討する。これに向け「金沢・鶴見工場浸水対策基本計画・基本設計業務」を八千代エンジニヤリング(横浜市保土ケ谷区)に委託した。落札価格は934万円。納期は2022年1月。
金沢工場と鶴見工場は東京湾に面した沿岸部に位置しており、災害発生時には浸水による機能不全や機能停止が懸念される。
そこで、神奈川県が作成した津波浸水想定図(15年6月)や高潮浸水想定区域図(19年4月)を基に浸水区域や水深を確認し、工場内の施設や設備が浸水した場合に@他の代替ができないA応急復旧が可能B大きな影響を及ぼさない―のどれに該当するか選別する。
次に、各施設の復旧にかかる費用や工期を踏まえ、重要度の格付けを行う。
これらの検討結果を基に、浸水対策範囲内の対策工法や基本方針を策定する。例えば電気設備など重要保安施設の扉を水密性の高いものに変えることや、建物の前に防潮堤を築造すること、施設ごと高さをかさ上げすることなどが考えられる。
工事に係る工程表とフローを検討して概算工事費を算出し、総括として事業継続計画(BCP)の素案策定につなげる。
激甚化する水害による浸水被害があっても、市民の日常生活を支えるごみ処理機能がマヒしないよう備える。提供:建通新聞社