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建設経済新聞社
2021/07/30

【京都】学研の南田辺西地区約60f 民間開発見据え事業提案募集

 京都府は、けいはんな学研都市の南田辺西地区約60fについて、民間活力による開発を見据え、開発事業に係る事業提案を募集する。事業提案者を選定し、事業課題等の整理・検討を一定進めた後、令和4年春頃にも事業パートナーの公募を実施、設計コンペを行う予定。
 京田辺市三山木奥山田148−1他の対象地約60fは、平成24年1月に日本生命保険相互会社が府へ寄付を申し出。平成25年1月に寄付契約書が締結され、府への所有権移転が完了した(地権者は京都府、京田辺市。一般地権者なし)。
 現況は山林等(丘陵地帯)で、甲子園(兵庫県西宮市)の15倍程度、京都御苑(京都市上京区)と同程度の大きさがあり、南北1q、東西1・1qに及ぶ。北側は南田辺北(同志社山手)の開発地に接し、南東側には京奈和自動車道精華下狛インターチェンジがある。
 府は29日、南田辺西地区開発事業に係る事業提案の募集を開始。8月31日まで受け付ける。参加表明書の提出、関連書類及び提案書の提出も同日まで。提案内容は@まちづくりの方針A土地利用計画。
 選定された事業提案者の主な役割は▽府が検討する対象地区の事業展開や公共施設整備などの課題への対応に関する助言▽府が検討する対象地区の土地利用計画(用途、敷地計画等)などの課題への対応に関する助言他。費用は事業提案者の負担とする。
 府が別途設置する選定委員会で提案内容を審査し、総合的に判断し事業提案者を選定する。選定結果は9月中旬頃に通知する予定。
 担当は京都府商工労働観光部文化学術研究都市推進課(рO75−414−5196(直通))。

手法は区画整理事業を想定
来春にも事業パートナー公募


 開発事業の手法は同意型個人施行区画整理事業を想定する。
 今回の事業提案の事業者選定後は、事業課題の整理・検討等に関する覚書を締結する。事業展開、土地利用などの課題への助言を受け、事業課題などの整理・検討等を半年〜1年程度進める予定。
 その後は、事業課題などの整理・検討等において、一定程度の成果が現れた段階で、開発事業の着手に向けた調査・設計等を行う事業者(事業パートナー)の公募を実施し、設計コンペを行い、別途設置する第三者評価委員会の審査により事業パートナーを1者選定する。
 事業パートナーと開発事業着手に必要な各種検討についての約定締結を行った上で、開発事業の着手に必要となる環境影響調査、現地調査・測量、開発認可計画図書等の作成や、当該調査等に必要な将来管理者協議や地元調整などを実施する予定。
 事業パートナーが開発事業の施行予定者として事業計画認可申請を行い、事業計画認可後、造成工事に着手。造成工事を順次完了させ、土地引渡しを行う。
 順次、研究施設、研究開発型産業施設等の立地を目指す。
 順調にいけば、令和6年春頃にも事業計画認可後・造成工事着手、令和8年秋頃にも造成工事順次完了・地引渡し、令和9年度以降に研究施設等の立地のスケジュールを想定する。
 埋蔵文化財調査は2ヵ所想定(試掘調査は京田辺市、本掘調査は民間事業者がそれぞれの負担で実施予定)。
 開発関連の公共施設として別途事業で道路は南田辺狛田東西線約400m(地区界〜山手幹線まで。京奈和自動車道を跨ぐ橋梁を含む)を想定、上水道は宮ノ口受水場から地区内までの約3・4qの送水管敷設と地区内に配水タンクの設置を想定、下水道は地区界から地区外の既設公共下水道の接続口までの約1・3qを想定、河川は改修区間約350mを想定。
     ◇     
 学研都市の京田辺市と精華町にまたがる南田辺・狛田地区の開発を巡っては、昨年11月府議会の一般質問で「府の土地所有部分は民間活力の活用により、公費負担を可能な限り軽減して進める」とする方針を表明。
 また今年6月府議会の一般質問では「南田辺・狛田地区整備検討委員会では食関連の研究実績のある府立大学も参加し検討した結果、同地区にフードテック等をテーマに特色ある企業の集積を図ることとして報告書をとりまとめた」などと答弁した。