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　東日本建設業保証富山支店は、２１年度第１回「建設業景況調査」をまとめた。
　景況調査は、建設企業の景気動向を総合的に迅速かつ的確に把握することを目的に実施しているもの。経営動向（地元建設業界の景気、受注、資金繰り、金融、資材、労務、収益の状況）、経営上の問題点について、毎年３、６、９、１２月に郵送でアンケート調査を行っている。
　調査は同社と取引関係のある建設企業から、地区別と業種別、規模別の分布状況を考慮し、経営動向を反映するに足りると認められる企業を対象とし、原則として固定している。今回の県内回答企業数は６２社で、項目ごとに４月から６月の今期実績（第１四半期）、７月から９月の来期見通しを算出した。
　項目別の数値を見ると、「業況等」の地元建設業界の景気は今期、悪い傾向がかなり強まった。来期は悪い傾向がさらに強まる見通しで、悲観的な回答が多かった。
　今期の「受注総額」は、減少傾向が若干弱まった。官公庁、民間工事ともに減少傾向が弱まったが、民間では大幅に弱まった。来期の受注総額は、減少傾向がかなり強まる見込みで、特に民間工事では減少傾向が顕著に強まる見通しだ。
　「資金繰り」については今期、容易な傾向が続いている。来期は一転、厳しい傾向に転じるもよう。
　今期の「金融」は、銀行等貸出傾向で容易な傾向が続いており、短期借入金は、減少傾向から増加へ転じた。短期借入金利は、上昇傾向から下降傾向に変わった。来期の銀行等貸出傾向は、容易な傾向が弱まる見通しで、短期借入金は増加傾向がやや強まり、短期借入金利は下降傾向が若干弱まる方向だ。
　「資材」は今期、資材の調達で困難な傾向が続いており、資材価格は上昇傾向が著しく強まった。来期は資材の調達で困難な傾向が相当強まるもようで、資材価格も上昇傾向が続く見込み。
　今期の「労務」は、建設労働者の確保で困難な傾向が強まった。賃金についても上昇傾向がかなり強まった。来期は、労働者の確保で困難な傾向がさらに強まる見通しであり、賃金も上昇傾向が続くもようだ。
　今期の「収益」は減少傾向が強まった。減少の理由では、『完成工事高の減少』と回答するウエイトが大半を占めた。来期の収益は、減少傾向が相当強まる見込み。
　今期の経営上の問題点は、『人手不足』が依然トップ。以下、『従業員の高齢化』、『受注の減少』の順と傾向の変化は見られなかった。