建設新聞社
2021/07/28
【東北・秋田】JR東日本と秋田県が秋田新幹線の新トンネル建設へ覚書
JR東日本と秋田県は26日、秋田新幹線の新仙岩トンネル整備計画の推進に向け覚書を締結した。
新トンネルの建設は、秋田新幹線の高速化や防災対策強化などのため、赤渕〜田沢湖間の一部で計画しているもので、現在のところ延長は約14`b、想定事業費は約700億円で、事業期間は着工から約11年。約7分の時間短縮効果が得られるとしている。
2017年以降、JR東日本と県は協力しながら経済波及効果の分析や、国への予算要望などを実施。また、国への支援の働き掛けや、官民一体の広報啓発活動のため、18年には秋田県と岩手県の市町村や議会、商工会、観光協会などが秋田新幹線防災対策トンネル整備促進期成同盟会(会長=老松博行大仙市長)を設立している。
県庁で行われた締結式には秋田県の佐竹敬久知事と、リモート形式でJR東日本常務取締役総合企画本部長の坂井究氏が参加。会の冒頭、佐竹知事は「秋田新幹線は本県最大の鉄路。国の財政支援を得るためわれわれの共通認識を示し、様々な課題を克服しながら積極的な検討を進めたい」とあいさつし、坂井部長は「当該区間は災害や輸送障害のリスクが高く、これまで防災対策を進めてきたが、予測できない災害に備えるためにもトンネルが必要。当社と秋田県とでより一層連携を深めたい」とした。
今後の具体的な取り組みの1つは、事業スキーム確定に向けた検討。現在、国に要望している事業スキームでは、費用負担の割合はJR6割、国2割、地元自治体2割となっており、国による2割負担の実現が課題となる。地盤調査などの各種調査や環境アセスメントなども並行して進める。
提供:建設新聞社