県県土整備部道路計画課は、2018年3月の道路法改正により「重要物流道路制度」が創設されたことなどを受けて「県広域道路交通ビジョン・県広域道路交通計画」をまとめた。広域道路交通計画では、富津館山道路の富浦インターチェンジ周辺において集約型公共交通ターミナル(バスタ)を検討するほか、圏央道の「(仮称)神崎PA」の整備や「(仮称)山武PA」の具体化に向けた取り組みを進める。
広域道路交通ビジョンでは、平常時の広域道路交通の課題として▽ミッシングリンクや暫定2車線区間の存在▽湾岸地域や県北西地域における慢性的渋滞▽成田空港や千葉港等へのアクセス向上▽道路インフラの老朽化▽安全・安心の確保――を挙げ、災害時においては「ミッシングリンクや暫定2車線区間の存在」と「防災拠点へのアクセス向上、道の駅の防災拠点としての機能強化」を課題とした。
これらの課題を踏まえ、「広域道路ネットワーク」「交通・防災拠点」「ICT交通マネジメント」の3つの視点から広域的な道路交通の基本方針を策定し、取り組みを進めることとした。
広域道路ネットワークにおいては、ミッシングリンクや暫定2車線区間の解消を進め、広域道路ネットワークの形成を図るとともに、暫定2車線区間の4車線化や交通安全対策、逆走防止対策を進める。
交通・防災拠点では、道の駅や高速道路サービスエリアおよびパーキングエリアについて、ソフト(災害情報の収集・発信等)とハード(防災施設の整備等)の両面から防災機能の強化を図る。
ICT交通マネジメントでは、ビッグデータの利活用による交通渋滞対策や交通安全対策の強化を目指すほか、自動運転サービスの普及に向けた取り組みを進める。
一方、広域道路交通計画は、圏央道の整備効果を県内各地に波及させるため、インターチェンジにアクセスする国道297号、国道356号、国道410号等の整備を進めるほか、新たな湾岸道路や千葉北西連絡道路の早期具体化を図る。また、圏央道(大栄〜横芝)の24年度開通に向けた整備や、都心と成田空港を最短で結ぶ北千葉道路の整備を進め、圏央道と空港を直結する新たなインターチェンジについて、成田国際空港と連携しながら検討を行う。
このほか、富津館山道路の富浦インターチェンジ周辺において、「バスタプロジェクト」として集約型公共交通ターミナル(バスタ)の検討を行い、道の駅の防災機能強化として、備蓄倉庫や非常用発電設備の設置、非常時のトイレの使用が可能となる給水タンク・仮設トイレなどの整備を進める。圏央道においては「(仮称)神崎PA」整備や「(仮称)山武PA」計画の具体化に向けた取り組みを進める。