松山市は「城山公園(堀之内地区)第2期整備基本計画案」をまとめた。第1期整備から約10年が経過し、市民から北側の未整備区域約6fについて早期整備の要望もあることから、あらためて整備基本計画を策定する。総合公園・歴史公園の他、学習教育や生涯学習の場、観光地、災害時の指定緊急避難所など、多面的な利用を想定した場所として整備する。市民からの意見集約を経て年度内の基本計画策定と早期の実施設計の完了を目指す。
第2期の整備に当たっては▽松山城跡に触れる機会の創出▽総合公園や歴史公園、学校教育や生涯学習の場、観光資産、緊急避難所など多様な利用−などを基本コンセプトに、史跡と都市公園の調和を目指す。幕末の土地利用に基づく地区区分(A〜I地区)=図=を行いそれぞれ整備方針を定めており、侍屋敷、土塀、内堀などの位置が分かるように立体・平面表示する他、エントランス、案内所、眺望施設などを整備する。
所管は公園緑地課。2009年度に整備が完了した第1期整備では、公園南部の約8・8fを対象に広場を中心に整備。その後2期エリアの幕末の区画割りや道路位置の確認などを行い、市はこれまでに保存利用計画を策定していた。
2期整備は現在、基本計画の策定中だが、並行して実施設計も進めており、基本計画案に寄せられる意見を踏まえ業務に反映させることにしている。このため基本計画の策定と実施設計の完了の各時期は今のところ流動的。実施設計は建設技術研究所松山事務所(松山市)が担当している。
市は国の補助金を活用しながら5年計画で整備する考え。順調なら22年度に土砂搬入に必要な進入路整備など準備工事に着手することにしている。
第2期整備区域内地区区分(A〜I地区)と整備方針は次の通り。
▽A地区(北御門広場)−エントランスとして整備、江戸時代の門を立体・平面表示、トイレ・駐輪場・車止めを設置
▽B地区(馬場)−江戸時代の馬場を表現した園路を整備、江戸時代の馬場土手を立体表示
▽C地区(北御門広場南)−ふれあい広場として整備、東屋を設置など
▽D地区(北土塁)−江戸時代の土塁を立体表示
▽E地区(三之丸)−広場を造成し周囲に柵設置など
▽F地区(西之丸)−展望施設兼東屋を設置、西之丸を立体表示、井戸、道路等を平面表示など
▽G地区(侍屋敷他)−江戸時代の土塀・屋敷境を植栽等で立体・平面表示、侍屋敷の間取りを平面表示、休憩所兼ボランティアガイド案内所設置など
▽H地区(小普請所)−子どもや家族連れが安心して利用できる場所として整備、江戸時代の土塀を植栽で立体表示
▽I地区(内堀)−江戸時代の堀を立体表示、表面を疑似水面として舗装
提供:建通新聞社