徳島県は、静岡県熱海市で発生した土石流災害を受けて、県土整備部と農林水産部が所管する各課で、管理型砂防堰堤75基など「砂防・盛土・開発地の点検」を開始した。
土石流災害への対応や危険性の有無を把握するための点検で、既存の施設・土地・許可地が対象。熱海市の災害は、上流の山間部に設けた、排水施設のない大規模盛土の崩壊と流出が原因とされている。今回、予防的な考えから、担当課が所管する施設を点検する。点検後の対応は、点検結果や法規制、条例などに沿って決める。
管理型砂防堰堤の点検(砂防防災課)は、堆積した土砂などを撤去するように造った堰堤が対象。県内に75基あり、現在の状態を把握する。残土処分場等の点検(環境管理課)は、3000平方b以上の盛土として許可した箇所が対象。特定事業での許可地、特に山間部を中心に点検する。林地開発許可地の点検(森林整備課)では、現在1fを超える場合で許可が必要な残土置場などの箇所を点検する。大規模盛土造成地(宅地)の点検(都市計画課)については、地盤、擁壁、法面、湧水の状況、排水構造物の変状などを目視で確認する。
県土地利用指導要綱では、1万平方b(市街化区域は5000平方b以上)の、土地の形質変更を伴う開発がある場合、関係法令や要綱に基づいて、用地対策課を中心に所管課が集まる「事前協議」を行い、必要な手続きの確認・調整を行うようにしている。
提供:建通新聞社