京都市は16日、公契約審査委員会(委員長・牧紀男京都大学防災研究所教授)を開き、令和2年度契約審査専門部会の審議結果、公契約基本条例の取組状況の報告を行った。
令和2年度契約審査専門部会の審議結果報告によると、第1回(令和2年10月30日開催)において、令和元年度に締結した契約のうち、契約金額3000万円以上の物品等の調達契約から、委員が抽出した4件(京都市京セラ美術館(京都市美術館)及び京都市美術館別館運営サービス業務委託、漏水調査(管路音圧監視システム)作業など)を審議。第2回(令和3年1月28日開催)において、令和元年度下半期に締結した契約のうち、契約金額2000万円以上の工事請負等の調達契約から、委員が抽出した4件(京都市南部クリーンセンター整備工事ただし、破砕機施設解体撤去工事、(総合評価)西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場改修(その1)工事(2件一括)、高速鉄道東西線信号電源設備更新工事その3(蹴上駅、烏丸御池駅及び醍醐車庫)、京都市上下水道局南部拠点整備事業)を審議。第3回(令和3年3月22日開催)において、令和2年度上半期に締結した契約のうち、契約金額2000万円以上の工事請負等の調達契約から、委員が抽出した4件(京都市立芸術大学及び京都市銅駝美術工芸高等学校移転整備工事設計業務委託ただし、設計意図伝達業務委託、世界遺産二条城庭園他維持管理業務委託、高速鉄道烏丸線レール交換工事、配水管布設及び布設替工事)を審議した。
審議結果として、南部クリセン工事について「積算方法等に見直すべき点があれば、次回の発注に活かすこと」などの指摘があった。
市公契約基本条例の取組状況について、市内中小企業の受注等の機会の増大では「工事は、令和2年度における市内中小企業受注率は、契約件数ベースで約86%、契約金額ベースで約58%を占める」「令和元年度と比べると、件数ベースで約2ポイント減少、金額ベースで約17ポイント減少」「市立芸大移転整備工事や鳥羽第3導水きょ公共下水道工事などのWTO対象工事が増加したことに伴い、市内中小企業以外の受注内訳でこれらの工事の割合が0%から約73%へと増加したことなどが影響している」とした。
今後の方向性について、「建設業の働き方改革等の推進のため、4週6休以上の達成により経費補正を行う週2日の現場閉所を行うモデル工事の対象を昨年度よりも拡大して実施する(令和2年度15件→3年度80件程度)」「令和2年4月から、予定価格が一定金額以上の公契約の受注者に『持続可能な社会を構築する取組の重要性を理解し、取組に努める』旨の宣言的な文書の提出を求める取組を開始。令和3年4月から、具体的な取組内容の記載を義務化」などと報告した。