羽咋市は、市が管理する橋長2メートル以上の166橋(19年度時点)を対象にまとめた橋梁長寿命化修繕計画を公表した。点検結果に基づき適切に修繕を行う「予防保全型」の維持管理へ移行した場合、従来の「事後保全型」と比べ、今後50年間の累計で20億5000万円のコスト縮減が見込めると試算した。
市が管理する橋梁のうち、建設後50年以上を経過した「高齢化橋梁」の割合は、19年の70橋(42・2%)から20年後には136橋(81・9%)まで増加する見通しとなっており、今後は修繕や架け替えにかかる費用が急増することが予想されている。こうした状況を踏まえ、市は橋ごとの損傷状況や重要性を考慮した対策の優先順位を決定し、損傷が小さいうちに補修する予防保全型の維持管理を進めていく。
損傷が進行してから補修などの対策を講じる事後保全型の場合は、今後50年間の事業費が53億3000万円に上ると試算。しかし、予防保全型では32億8000万円に抑えることができ、約38・5%のコスト縮減効果が期待できるとした。長寿命化修繕計画の策定は国土開発センターが担当した。
さらに市は、眉丈第1、第2のトンネル2カ所を対象に長寿命化へ向けた個別施設計画を策定した。いずれも健全性は安全性に問題がない「2」に区分されたが、今後も国が定める5年に一度の定期点検を実施し、老朽化に起因する突発的な事故の未然防止につなげるとともに、補修費の大幅な縮減に取り組む。
修繕費については、事後保全型では21億5000万円かかると試算しており、予防保全型に移行すると13億2000万円と、8億3000万円の縮減効果が期待できるとしている。新日本コンサルタントに長寿命化修繕計画策定業務を委託した。