日本海に居座った梅雨前線による豪雨を受けて県は15日、公共土木施設の応急復旧費を中心に20億3400万円の「7月臨時補正」を専決処分した。平井伸治知事は「当座、必要なもの。状況を打破するため、県庁の全精力を傾けていく」と定例会見で述べ、本格的な復旧につなげる。
豪雨災害に関係した臨時補正を議会議決前に専決するのは「平成30年7月豪雨」以来。前回の18億円規模を上回る専決予算となった。補正後の一般会計総額は3716億9000万円。
7日から12日にかけての豪雨の影響で、これまでに分かっている公共土木施設被害は70カ所。国道313号北条倉吉道路(北栄町弓原〜倉吉市和田)の法面が崩れたほか、河川は富海川(倉吉市)の護岸20bが崩落した。
また、農林水産関係の被害額は15億4000万円。ため池の双子池(北栄町大谷)が決壊したのをはじめ、農地畦畔、林道施設が被災し、被害はさらに拡大する見込み。
専決予算の内訳は▼公共土木施設の応急復旧13億6300万円▼農林・商工・観光支援6億3700万円。建設災害復旧費は道路や河川などの応急に10億円、治山施設の災害復旧に2億3000万円を追加。林道施設の災害復旧は1億2100万円を補正した。
今後、本格的な復旧費は9月県議会に要求することにしており、「9月補正」はまとまった規模に膨らみそうだ。
日刊建設工業新聞