新潟県入札監視委員会(委員長・阿部和久新潟大学副学長)の定例会議が14日、県庁で開かれた。今回は20年12月から3月までに契約した986件から5件を抽出し、いずれも契約経過を妥当と結論づけた。
このうち、通常型指名競争入札の「経営体育成基盤整備事業 中ノ通地区区画整理第4次工事」(落札率99・86%)では、予定価格に対して13社の入札額が超過、2社の入札額が同額となり、落札率は99・86%と高くなった。県は「手順が多く手間の掛かる工事で積算も複雑なため、ミスが多かったことが原因だろう」との見解を述べた。委員からは、ほぼ同様の内容でありながら入札時に不具合がなかった「第3次工事」の仕様書と異なり、詳しい内容が記載されていなかった点についての指摘とともに、すべての発注工事等の共通事項として、公告や仕様書の記載が不十分であるなどの意見が出された。県は「今後、表示方法などの工夫と改善を図っていきたい」と回答した。
また、一般競争入札(特例政令対象)の「県央基幹病院建築工事」(同89・50%)では、参加した9JVのうち、2JVが調査基準価格未満で、主な原因として、いずれも現場管理費が約84%、一般管理費は約30%と低額だったことが挙げられた。低入札価格調査の結果、人材、資材などの面で適切に計画されていたことから、県は各企業の技術力向上や働き方改革によりで省力化が図られた結果と判断したという。
委員からは「本来100%であるべきものを、30%とするのは適切と言えるのか」と疑問視する声が上がり、県は「今年度から新たな調査基準価格を適用し改善を図っている」と説明した。
そのほか、通常型指名競争入札「公営住宅(新潟地区)早通北住宅37号棟外壁改修他工事」(同93・34%)、随意契約「新潟臨海工業用水道西部系新規給水管布設工事」(同99・83%)、制限付き一般競争入札「新潟処理場 沈砂池ポンプ棟耐震化工事」(同91・08%)についても審議した。